2025年から2026年にかけ、不動産投資商品「みんなで大家さん」をめぐる返金訴訟が重大な局面を迎えています。
報道によると、運営会社側(都市綜研インベストファンド等)が投資家側に分割払いでの資金の返還を申し出ましたが、投資家側はこれを拒否しました。
なぜ今、投資家たちは「和解」ではなく、あえて強硬な「一括返済」を求めているのか。 その理由を紐解く前に、まずはここに至るまでの経緯について整理します。
何が起きているのか?「ゲートウェイ成田」から始まった崩壊の連鎖
事態の発端は、同社が主力商品としていた「シリーズ成田(成田空港周辺開発プロジェクト用地)」に関するトラブルでした。
1. ゲートウェイ成田の行政処分と信用崩壊
すべての始まりは、ゲートウェイ成田プロジェクトに関して、重要事項の説明不足や契約書面の記載内容に問題があったとして行政処分を受けたことでした。
行政処分初日に400件以上の解約請求があったとも言われており、行政処分をきっかけとして資金繰りが悪化したと見られています。
2. 土地の返還によりプロジェクトの前提が崩れる
さらに致命的だったのが、開発用地の行方です。
報道によると、「ゲートウェイ成田」の対象となっていた土地の一部は、成田空港から共生バンク側(グループ)に貸し出された土地でした。成田空港側は今回の件を受けて、賃貸借契約を終了し更新しない方針を示したことで、少なくとも当該用地を前提とした工事継続は困難になり、計画の前提が大きく揺らいでいます。
こうした事態から、投資家たちが「事業継続による収益回復は不可能」と判断しているのでしょう。
3. 他ファンドへの延焼と「どんぶり勘定」の疑い
法令上は、契約財産は他の契約財産等と分別して管理する建付けです。そのため、一つのプロジェクトでトラブルが発生しても、他プロジェクトへの影響は限定的なはず。
しかし、実際には複数商品で分配遅延や償還の滞りが報じられていることから、資金管理の適正さについて疑念が指摘されています。
4. 払拭できない「自転車操業(ポンジスキーム)」の疑念
一部の論者やネット上では、分配遅延の広がり等からポンジスキームではないかという見方もあります。
ただし、現時点でそれが公的に確定した事実ではなく、証拠が示されているわけでもありません。
ただ、個人的には疑ってしまうのも無理はないな、と感じます。
こうした絶望的な背景を踏まえ、なぜ投資家は「和解(分割払い)」を拒否し、現実的には難しい「一括返済」を求めるのか。そこには3つの明確な理由があると私は考えています。
一括返済を求める4つの理由
理由①:”今ある資産”を確実に確保する(早い者勝ちの論理)
企業再生の現場や倒産寸前の事案において、鉄則となるのが「資産の保全」です。 会社が破綻した場合、残った資産は債権者全員で分け合うことになりますが、その時には資産がほとんど残っていないことが大半です。
しかし、和解を拒否して判決まで持ち込み、いち早く「債務名義(強制執行の権利)」を得れば話は別です。会社にまだ現預金があるうちに、銀行口座を差し押さえて回収できる可能性があります。 これは時間との勝負であり、分割払いで悠長に待っている暇はありません。
理由②:時間的猶予=資産消失のリスク
会社側が和解条件として求める「分割払い」や「事業継続」は、投資家にとって「資産がさらに減るのを指をくわえて待つ時間」になりかねません。
前述の通り、成田プロジェクトは事実上頓挫しており、事業収益による復活の目処は立っていません。そのような状態で事業を続けさせても、経費や役員報酬などで資金が流出し続け、数ヶ月後には金庫が本当に「空っぽ」になるリスクがあります。 安易な和解による時間的猶予は、会社側(経営陣)には延命のメリットがあっても、投資家には「取りっぱぐれ」のリスクを高めるだけです。
理由③:何万年も回収できない可能性
仮に分割払いで合意した場合でも、予定通りに返済が進むとは限りません。むしろ、あえて返済金額を減らす作戦を取られるケースもあるので注意が必要です。
「経営再建の途中のため、約束通りの支払いはできないが少しだけなら支払える」、と言って仮に1円だけでも振り込んできた場合、少しでも返済しようと努力しているとみなされます。そうなると、資金の全額回収には何万年もかかってしまいます。
そもそも理由②で述べたように、収益源であるプロジェクトの再開目処が見えない以上、返済原資が本当にあるのかは疑わしいとも言えます。
理由④:経営者個人の刑事責任と「処罰感情」
投資家が一括返済にこだわる裏には、金銭回収だけでなく「経営責任の徹底追及」という強い意志も働いているのでしょう。
「民事不介入」の壁を突破する
警察は通常、単なる借金の未払いトラブル(民事事件)には介入しません。会社側が「返済遅延していますが、分割で払う意思はあります」と主張して和解交渉をしている間は、警察も動きようがないのが現実です。
詐欺の実証と「逃げ得」の阻止
しかし、裁判で一括返済の判決が出たにもかかわらず支払われない場合、それは「最初から返す能力も意思もなかった」という詐欺の構成要件を満たす可能性が高まります。
「和解拒否」→「一括返済命令」→「支払い不能」というプロセスを経ることで、単なる経営失敗ではなく、刑事事件としての立件を警察に促す狙いがあるのでは、とみています。
もちろん、単なる経営失敗の可能性も全然ありますが。
投資家の中には、「お金が戻らないとしても、経営者がのうのうと逃げ切ることだけは許せない」という強い処罰感情を持つ人も少なくないと見ています。あえて厳しい一括返済を突きつけることは、経営陣に「逃げ得」を許さないための、最後の法的手段とも言えます。
つまり、分割返済は投資家側に何のメリットもないわけですね。
ただ、この処罰感情は非常に厄介。投資において感情に振り回されることは、一番あってはならないことだからです。
まとめ~処罰感情に支配されないようにしましょう~
都市総研インベストファンドからの分割返済の和解案は、投資家側にとって、
- 資金流出の猶予が生まれる
- 他の債権者が一括返済を勝ち取った場合に資金の回収が困難になる
- 事業継続による収益発生は期待できない
という意味で、全くメリットがありません。
そのため、一括返済を求めることは合理的でしょう。
しかし一方で、投資家の多くは処罰感情を持って本件に望んでいる方も少なくないとみています。そうした処罰感情から一括返済を求めているのであれば、それは間違いです。
残酷なことを言うようですが、今回の投資トラブルは、投資家側にとっての投資の失敗でしかありません。例え、都市総研インベストファンドに対して刑事責任を問えたとしても、投資家に返ってくるお金は増えませんから。
こうしたトラブルに巻き込まれた時点で、投資は失敗、潔く身を引くことが一番傷を浅くし、次の投資案件探しに注力できるようになります。
現に、今回のみんなで大家さんのトラブルについて、とあるNPOに相談すると着手金100万円程度かかる法律事務所を紹介されるなんて話も聞きます。
詐欺の二次被害とまでは言いませんが、投資で傷を負った状態で、その回収のために追加で100万円の支払いをするのであれば、新しい投資先に100万円を投資する方が随分生産的です。
投資で見るべきは数字。
処罰感情に流されて高額な着手金を弁護士に支払うのは、次こそは・・・と、勝つまでやめられないギャンブルに身を投じている状態に近いと言えそうですね。
投資戦略の立て直しをしたい方へ
みんなで大家さんの事実上の破綻によって、投資戦略の大幅な見直しを迫られている方も多いでしょう。
実は、みんなで大家さんに限らず、最近は不動産クラウドファンディングでの資金トラブルは急増しています。不動産に投資しているように見えて、実際は中小零細企業へのハイリスクな貸付案件でしかなかったということですね。。。
私は不動産クラウドファンディングには手を出さず、ワンルームマンション投資を中心に資産を構築してきた結果、現在、保有物件数17戸、年間家賃収入1,010万円を得ています。
私の投資実績の詳細についてはこちらの記事にまとめていますので、戦略見直しのヒントにしてくださいね。
みんなで大家さんのファンドに出資している方へ

・配当が遅れているけど、このままで大丈夫なのか?
・投資戦略を見直したい
・投資金が戻ってこない状態でどうやって次の投資をしたらいいか分からない
・他の不動産小口化商品についても不安になってきた
・弁護士からみんなで大家さんへの訴訟を提案されている
などなど、みんなで大家さんに関するわからないことや不動産投資全般に関する不安・疑問はいつでもLINEで聞いてください!
不動産会社に勤めていた、おせっかい好きの田中があなたのお役に立てれば幸いです笑。
業者さんでは言えない真実をお伝えします!



