医師が不動産投資で失敗する確率は90%の理由 | 節税と騙されないための対策とは?

医師が不動産投資で失敗している確率は90%と言われています。勤勉な方が多く収入も安定しているのにどうして9割もの方が失敗してしまうのかと疑問をお持ちではないでしょうか。

そもそも不動産投資の失敗の定義とは・・・

  • 不動産業者の出したシミュレーション通りに進まない
  • 修繕費など想定外の出費が嵩む
  • 購入後、入居者がつくまで時間がかかる
  • キャッシュフローが毎年悪化していく
  • 売却しようとすると1,000万円単位のマイナスになる

など、当初不動産会社から受けていたキラキラした営業トークと違う事態に陥ることです。

こういったケースはとにかく物件を売ることにだけを目的とした悪徳不動産会社に絡め取られてしまうと起きることが多いです。とにかく不動産投資のメリットを過剰に伝えることで期待させ、その言葉の責任は一切果たさない不動産会社が非常に多いという事実をまず認識する必要があります。

また、そのような悪徳業者に限って購入するまで(1件目だけではなく複数件購入できるのであれば購入できなくなるまで)、過剰な接待があります。

一方で、不動産投資は選ぶ物件さえ間違えなければ、5~10年で数百万円の利益(うまくいけば1,000万円ほど)を十分に出せる投資です。

大事なのは物件選びと計画です。私は不動産投資で年間1,010万円の不労所得を実現しています。詳しくは私のプロフィールに載せているので、興味ある方はご覧ください。

元不動産屋・現役サラリーマン投資家 田中

サラリーマン大家。新卒で中堅不動産投資会社に就職。 お客様第一ではない不動産会社のあり方に疑問を感じ、メーカーの営業職に転職。現在はコンサル会社に転職し不動産会社勤務の経験を生かして不動産会社の経営コンサルを行う。 地道に買い増しや売却益を活用し、現在17戸年間家賃収入1,010万円(ほぼ不労所得)。1,010万円を元手に投資信託や株を購入し、さらなる資産拡大に挑戦中。

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  1. 医師が不動産投資で失敗する確率が90%の理由
    1. 医師は高額な融資を受けやすい
    2. 融資が降りにくい物件も医師なら売れる
    3. 医師は高額年収のため節税効果ばかりに気を取られがち
    4. 本業が忙しく資産管理に集中できない
    5. 本業が忙しく物件の良し悪しが適切に判断できない
    6. 医師同士の紹介で脇が甘くなりがち
    7. 医師専門と謳う不動産会社の言うことを鵜呑みにしてしまう
    8. 最初から一棟アパートを購入してしまう
      1. 実質利回り
        1. サブリースによる売却額の低下
        2. サブリースによる物件価格の吊り上げ
      2. 本業への影響度
      3. 手離れの悪さ
      4. 一棟アパートとワンルームマンション投資の比較
  2. 医師が不動産投資で失敗して起きること
    1. 不動産投資が開業資金借入の足枷になる
    2. 人気エリアから外れたワンルームマンションを購入して大赤字
    3. 2年目の節税効果を読み誤って資金不足に
    4. 中古ワンルームマンションを購入して更に傷口が広がることに
  3. 医師が不動産投資で失敗しないための対策
    1. 自社の売り上げしかみていない不動産会社は避ける
      1. 病院に直接電話をかけてくる
      2. DMやインビテーションで投資の案内をしてくる
      3. 節税のメリットばかり訴求してくる
    2. 信頼できる情報サイトで不動産業者の評判を知る
    3. 不動産に投資する際は物件ごとに収支計画をたて物件を評価する
    4. 信頼できる不動産会社を見つける
      1. 代表or担当が職人気質である(単純に不動産が好き)
      2. 会社の規模拡大を目的としていない
      3. 顧客を勝たせようとする姿勢がある
    5. 借上システム(サブリース契約)には要注意
    6. 金融機関は有利な条件を提示してくれるところに絞り込む
  4. 医師が不動産投資で失敗したときの解決策
    1. 保有物件の空室率を平均と比較する
    2. 良くない物件に関する周辺環境など将来性を調査する
    3. 調査結果が良くなければ、持ち続けるか、損切りするかを選ぶ
  5. まとめ|医師が不動産投資で失敗する確率は90%

医師が不動産投資で失敗する確率が90%の理由

まず、不動産投資で失敗している医師が90%も存在する理由を、その環境や事例ごとに解説します。

冒頭でも説明した通り、不動産投資の失敗とは、

  • 不動産業者の出したシミュレーション通りに進まない
  • 修繕費など想定外の出費が嵩む
  • 購入後、入居者がつくまで時間がかかる
  • キャッシュフローが毎年悪化していく
  • 売却しようとすると1,000万円単位のマイナスになる

など、不動産営業マンが話してくれていた内容と全然違う状態に陥ることです。これは何も騙されるあなたが悪いわけではなく、医師の方に相応しくない不動産を売りつけようとする悪徳不動産会社に問題があるのです。

それではなぜ悪徳不動産会社は医師に狙いを定めてやって来るのでしょうか、その理由をお伝えします。

  • 医師は高額な融資を受けやすい
  • 融資が降りにくい物件も医師なら売れる
  • 医師は高額年収のため節税効果ばかりに気を取られがち
  • 本業が忙しく資産管理に集中できない
  • 本業が忙しく物件の良し悪しが適切に判断できない
  • 医師同士の紹介で脇が甘くなりがち
  • 医師専門と謳う不動産会社の言うことを鵜呑みにしてしまう
  • 最初から一棟アパートを購入してしまう

それぞれ、見ていきましょう。

医師は高額な融資を受けやすい

不動産投資は、自己資金の何倍もの資産を融資を受けることで購入するという、レバレッジを効かせた投資です。

医師は安定した収入があるうえに、社会的ステータスが高い職業ですから、金融機関は積極的に融資をしたがります。

そのため一般のサラリーマンの場合と比べると、収入が同じでも何倍もの融資を好条件で引き出すことも可能です。

つまり、医師は不動産投資における最初のハードルである融資を引き出しやすい職業といえます。

まーくん
まーくん
大きな融資を引けることはメリットである反面、悪徳不動産会社が法外な利益を載せた高値で販売することが可能になってしまいます。

融資が降りにくい物件も医師なら売れる

医師が融資を受けやすい職業であることを知っているのは、銀行だけではありません。不動産を売りたい不動産会社もよく認識しています

不動産会社は物件を売るに際して、顧客が融資を受けられないと、営業した時間や労力がすべて無駄になってしまうのです。

また、顧客の信用度が高くない場合には物件の価値が高いものでないとさらに融資が引き出しにくくなります。

しかし、医師の場合は価値が高いと評価できない物件でも融資を引き出せてしまうため、極論すると売りにくい物件でも取引が成立しやすいのです。

医師が買うと判断さえしてくれれば取引が成立したも同然で、不動産会社にとっては手っ取り早く売上があげられます。医師にしつこく営業してくる傾向があるのは、そのためです。

年収も高いので複数物件を販売できるという面も悪徳不動産会社から見ればより魅力的になります。

まーくん
まーくん
”節税”のためにと、適正価格よりも高い築古アパートを購入させられたケースもあります。

医師は高額年収のため節税効果ばかりに気を取られがち

不動産会社が医師に営業する際の殺し文句の一つが、「節税効果」です

不動産投資で節税効果が得られる年収額は、課税所得金額が900万円を超える方で、その目安の年収は1,200万円以上になります。多くの医師がこの年収を超えていることも狙われる理由の一つですね。

医師は年収が高いため、不動産を持つことでの節税効果は確かにあります。

しかし、節税効果を謳って営業してくる会社は良い物件を仕入れることよりも、節税によるメリットを打ち出すことで、論点をずらしています。

不動産投資は本来物件に魅力がないといけない投資ですが、悪徳不動産会社は良い物件を仕入れるルートを持ち合わせていないことが多く、このような論点ずらしをしてきます。

本業が忙しく資産管理に集中できない

医師の仕事は臨床医にしても研究医にしても、大変忙しく勤務時間も長くなりがちです。つまり、環境的に不動産投資のために多くの検討時間が取れません。不動産の勉強する時間があれば本業のための研究や自習に時間を費やしますよね。志が一般他者とはそもそも異なります。

専業の不動産投資家は自分で管理する人もいますが、医師の場合は不動産管理・建物管理会社に任せっきりになります。

つまり、医師が不動産投資を行う場合、競争力や将来性がある良い物件を購入しないと成功しづらくなるのです。

また、検討時点でもそこまで多くの時間を割くことができないため、素直に営業マンのいうことを聞いてしまう人が多いことも、営業マンが医師を狙う理由です。

本業が忙しく物件の良し悪しが適切に判断できない

また、医師は不動産投資で重要な物件の選定にも時間が取れない方も少なくありません。そうすると現地視察や周辺環境をチェックし、物件の良し悪しや将来性を計ることも難しくなります。

不動産投資は、自己資金、借入資金にかかわらず投じた資金の回収は、不動産賃貸業を継続しながら、出口で売却益を目指す投資になります。

そのため、物件の良し悪しを判断し適切に選定することが大変重要ですが、疎かになりがちです。

物件の良し悪しを見極めるのは相当な経験が必要なので、医師に限らず多忙な高年収サラリーマンにも同様のことが言えます。その忙しいという隙を悪徳業者はついてくるのです。

医師同士の紹介で脇が甘くなりがち

医師は人間関係を大切にされる方が多い職業です。そのため「〇〇さんが勧めてくれているから…」とか「先生ならフルローンで融資しますと銀行が言うから…」とかいう理由で軽はずみに投資される傾向があります。

しかし、不動産投資で成功している方は友人や同僚の紹介を受けても、紹介者の良し悪しではなく物件を厳しく評価し投資判断をしているのです。

とはいえ、多くの医師は不動産投資の勉強にかける時間がないですし、勉強方法もわからないため、営業マンや紹介してくれた医師のいうことを鵜呑みに聞いて投資を始めてしまいます。

その結果、変な物件を掴まされ、また、売り時を間違えて損をしてしまう医師が増えています。

医師専門と謳う不動産会社の言うことを鵜呑みにしてしまう

不動産業者のなかには、医師専門の不動産会社と謳っているところもあります。開業コンサルタント業とセットで不動産投資を勧めるというやり方もあります。

しかし、不動産投資家に医師やサラリーマンという線引きなどありません。医師専門という言葉は結局聞こえの良い集客用の言葉でしかない上に、実際は売れるのであれば医師以外にも販売するのが不動産会社です。

医師専門ではなく、顧客を勝たせる意識のある真っ当な不動産会社との付き合いが重要です。

最初から一棟アパートを購入してしまう

一棟アパートは節税効果(木造物件は減価償却期間が短い)と利回りが高いため、ついつい魅力的に感じてしまいますが、実は一棟アパートはとてもリスキーな投資です。

それを説明する3つのキーワードが、

  • 実質利回り
  • 本業への影響度
  • 手離れの悪さ

になります。それぞれ見ていきましょう。

実質利回り

一棟アパートは表面利回りこそ高いものの、実は満室稼働にすることはなかなか困難です。都市部にあるワンルームマンションは稼働率95~98%と言われますが、一棟アパートは都市部から少し離れた郊外に購入することが一般的。そうなると稼働率が80%程度に落ちます。

また賃貸需要も都市部より低いことから入居者を入れるための広告費が必要になってきたり、最悪の場合家賃を下げることも検討する必要が出てきます。そうなると表面利回りの数値は幻で、労力の割に全然儲からない投資となってしまうのです。

そのためサブリース契約という家賃補償制度を導入している不動産会社もありますが、ここにも大きな落とし穴が。

落とし穴は二つあり、

  • サブリースによる売却額の低下
  • サブリースによる物件価格の吊り上げ

です。

サブリースによる売却額の低下

サブリースは家賃の20%程度を不動産会社がサブリース手数料として天引きすることが一般的です。

そのため、この時点で実質利回りは表面利回りの80%程度となります。保有している間は納得して支払っていたとしても、これが売却となると話が変わってきます。

不動産物件の売却額は主に家賃から逆算して決定されます。そのためサブリース契約を結んだ時点で受け取れる家賃が80%となっているので、売却額も本来の80%となります。

それなら売却せず保有し続けようと考えても、サブリース契約では家賃の決定権は不動産会社にあることが一般的。2年に一度のサブリース更新のタイミングで家賃を下げられてしまうリスクもあります。

このように、持ち続けても地獄、売却しても地獄といった状況に陥りかねません

サブリースによる物件価格の吊り上げ

こちらは上記よりも悪質なケースです。

実際の入居者の家賃よりも高い金額で不動産会社が家賃保証をしているケースです。具体的には、あなたの購入した一棟アパートの一室の家賃が6万円なのに対し、不動産会社は8万円で家賃保証契約を結びます。不動産会社は2万円の赤字ですね。

しかし、家賃が上がるため一棟アパートの利回りが高くみせられ、物件価格を吊り上げることが可能になります。

そして販売後、数年で不動産会社はサブリース解約の旨をオーナーに申し出ます。すると入居者がいる部屋は2万円のマイナス、入居者がいない部屋では8万円のマイナスになります。10室のアパートだと毎月のキャッシュフローが20~40万円くらいのマイナスになる可能性もあります。

このようにサブリースは不動産会社からすれば物件を魅力的に見せるツールにこそなりますが、オーナー側がサブリース契約で高利回りを得られることはありませんので注意が必要です

本業への影響度

ワンルームマンションは一室のみで、かつ賃貸需要が高い都市部なので、ほぼ空室はありません。誇張なしに、ほったらかしでできる投資と言えます。

一方で、一棟アパートはワンルームマンションと比較して賃貸需要が低く、空室リスクが高い投資です。

一定の稼働率を下回ればローン返済が上回ることになるので、空室を埋めようと不動産会社を回ったり、物件の設備を整えようとしてみたりとしているうちに、本業に集中できなくなる人もいます。

本業に支障が出る不動産投資では本末転倒です。

手離れの悪さ

また、住人の数が多いことからも、トラブルや不具合、故障等の対応はワンルームより多く必要になります。管理会社から頻繁にかかってくる電話にうんざりしてしまうものです。

とはいえ、目の前のキャッシュフローが良くみえることも事実。どうしても買いたいならワンルームマンションで基盤を固めることで、一棟アパートのリスクを最小限にすることも可能です。この辺りは本記事では詳しく触れませんが、気になる方はLINEください。

一棟アパートとワンルームマンション投資の比較

上記の説明をまとめると下のような表にまとめられます。

表面利回りこそ一棟が優位ですが、他はすべてワンルームマンションに軍配が上がります。また利回りもあくまで表面利回り。実質利回りでみると、ワンルームマンションは表面利回りから管理費や修繕積立金が引かれるくらいですが、一棟では、広告費、空室、トラブル、修繕などの状況で大きく変動します。

そのため、一棟不動産は投資よりも『経営』だという人もいるくらいです。

比較軸ワンルームマンション投資一棟不動産
表面利回り低い高い
立地都市圏郊外
売却益✖︎
稼働率95%80%
手離れ良い悪い
減価償却期間長い短い

医師が不動産投資で失敗して起きること

ここでは、医師が不動産投資に失敗して発生した事例について、ご紹介します。

医師が不動産投資で失敗すると起きることは以下の事象です。

  • 不動産投資が開業資金借入の足枷になる
  • 新築ワンルームマンションを大量に購入し大赤字
  • 2年目の節税効果を読み誤って資金不足に
  • 中古ワンルームマンションを購入して更に傷口が広がることに

一つずつ見ていきましょう。

不動産投資が開業資金借入の足枷になる

金融機関からの信用評価が高い医師ですが、勤務医時代に不動産投資で多額の融資を受け与信枠を使い切ると開業医になる際に、開業資金が調達できないという事例があります。

医師は、与信枠が一般のサラリーマンより大きいものの限界がないわけではありません。そのため、不動産投資で与信枠を食いつぶしてしまうことがあるのです。

こうなると、勤務医のまま開業資金を自己資金で貯めないとならなくなります。

しかし、実はこれは大した問題ではありません。

不動産投資単体でみて赤字が大きいと開業資金の借入に影響が出る可能性は確かにあります。

特に売るに売れない一棟アパートの負債を抱えている場合や相場とかけ離れた価格のワンルーム(ほとんどサブリース物件)を抱えている場合が問題となります。

しかし、不動産の中でも特に都市部のワンルームマンションは常に値上がりを続けているため、売却すると利益がでるので、そこで利確ができてしまうのです。そうして売却することで空いた与信枠を使って、開業資金を借入すれば良いのです。人気のエリアなら買い手も多く、売却もスムーズです。むしろ売却益を使って開業も可能となるため、真っ当な不動産を保有することは足かせどころかメリットにしかなりません。

まーくん
まーくん
ワンルームマンション否定派の方々は不動産は今値上がりすぎなので、バブルが弾けるという論調が多いですが、決して今の値上がりはバブル期の投機的なものではなく、れっきとしたインフレと都市部の需要という実需に支えられている点も都市部のマンションが良いと考える私の根拠です。私の知り合いには幾人も不動産の売却益を使って開業や支店の運転資金にした医師がいます。

人気エリアから外れたワンルームマンションを購入して大赤字

新築にしても、中古にしてもワンルームマンションの立地条件を見誤って人気エリアから外れた物件を購入してしまうと大赤字になりかねません。

よくある失敗例が、表面利回りだけに注目してしまい、以下のリスクを無視してしまうことです。

  • 人気エリアから外れており空室リスクがある
  • 空室リスクがあるということは、売却もしずらいため手離れが悪い
  • 表面利回りが低くても新築プレミアムがあるのを見落としている
  • 表面利回りが高い中古マンションには設備不良リスクがある

これらを見落としてしまうと空室期間が長く、家賃を下げないと賃貸が付きにくくなることも多く、結果として年利回りは下がってしまいます。

また、中古マンションは設備不良で大きな修繕費が必要になるケースもありますので、注意が必要です。

ただ、都内はワンルームマンション条例による制約が年々厳しくなっており、新築物件の開発がしにくくなっている点も考慮する必要があります。

ちなみに、都内の新築物件を購入後、半年以上入居者がつかず、不動産会社が訴訟を起こされたケースもあります。都内=安心、山手線の内側だからいい、新築=人気物件などは思い込みです。不動産は同じものが二つとない投資案件ですから、一つ一つの物件を丁寧に吟味する必要があります。

立地が良いのに空室が続く場合は、管理会社の問題も考えられます。手抜き対応な管理会社ではなく真摯に対応してくれる管理会社と付き合うことも大切です。真っ当な販売会社であれば真っ当な管理会社と提携していますので問題になることはほとんどありません。

2年目の節税効果を読み誤って資金不足に

不動産を購入すると以下の費用がかかります。

  1. 仲介手数料
  2. 印紙税
  3. 登記費用(登録免許税・司法書士報酬)
  4. 固定資産税・都市計画税(日割り精算)
  5. 住宅ローン手数料
  6. 保険
  7. 不動産取得税
  8. 消費税
  9. 水道加入負担金
  10. 修繕積立金

これらは当然、経費として計上可能で物件価格のおよそ1割弱ほどかかります。ただ、次年度からは、このうち4・6・10しか経費はかかりません。

例えば、3,000万円のマンションを購入して、初年度は260万円ほどの経費が落とせたものが、次年度は管理費と金利以外では45万円程度しか経費にならないのです。

しかし、初年度に経費として認められ還付を受けた事例が翌年も同様に経費が落とせ、金利や管理費も加えられると勘違いされるケースが意外に多くみられます。

投資初年度の還付が続くと解釈するのは間違いです。

まーくん
まーくん
上記の他に、ローンの金利も経費計上できますが、年々下がっていくものではあります。この辺りの詳細なシミュレーションは不動産会社からの提案を参考にしましょう。しかし営業マンが言っていることは参考にはしないようにしましょう!

中古ワンルームマンションを購入して更に傷口が広がることに

新築ワンルームマンションを購入すると、返済や経費など一部手出しで支うことになる場合があります。新築は実質利回りが良くないからと、中古マンションを買い足して利回りを改善しようとする方がいます。

この判断自体は間違っていません。中古マンションは表面利回りが高く、新築マンションよりも投資利回りがよくなるからです。

問題は追加購入する中古マンションの選定を悪徳不動産会社に頼ってしまい、空室状況が続いてしまうことです。利回りを改善するために、購入した中古マンションの空室率が高いと、結局利回りは下がってしまいます。

また、入居率は高くとも修繕やエアコンなどの故障により多額の出費がかさむケースもあります。利回り目的で築古の中古マンションに安易に手を出さないようにしましょう。

最悪は、資金不足で返済が滞ってデフォルトを起こしてしまうケースもあります。

だからこそ不動産を購入する際は購入業者をしっかり見極める必要があるのです。

まーくん
まーくん
不動産投資は5~10年保有から数百万円の売却益を得てこそです。それを実現するには不動産の見極め、良い不動産を紹介してくれる不動産会社との付き合いが必要です。

医師が不動産投資で失敗しないための対策

それでは、医師が不動産投資で失敗しないためにはどのように対策すればよいのかを解説します。

自社の売り上げしかみていない不動産会社は避ける

大金を投資をするからには、不動産を紹介してくる業者もまっとうな業者と付き合うことが重要です。誰々に紹介されたから大丈夫、というのは思考停止です。

自社の売上しかみないような会社には要注意です。会社のホームページに売上の推移を載せていたり、採用ページには高収入を謳っていたりする会社は要注意ですね。

また、以下の特徴を持つ業者は避けた方が賢明でしょう。

  • 病院に直接電話をかけて来る
  • DMやインビテーションで投資の案内をしてくる
  • 節税のメリットばかり訴求してくる

病院に直接電話をかけてくる

とにかく売り上げ第一の会社は、医師のアポを取りたいがために、強引な電話営業を行っているケースがあります。総合病院などでは直接取次されないようにマニュアル化されていると思いますが、そこを突破するためにあの手この手を使って電話してきます。

正直、不動産投資はそんな強引な営業をしなくても良い物件は売れていきますし、電話をガンバっている時点で物件の仕入れや既存顧客で忙しくない=よくない物件を取り扱っている会社、とも解釈ができます。

医師の方の中には、一度話だけ聞いて見るか、と軽い気持ちで説明を受け、そのまま業者の言われるがままになってしまっている方も多くいます。話すらも聞かない方が得策と言えるでしょう。

DMやインビテーションで投資の案内をしてくる

これは病院にかける電話営業と同様です。

DM、インビテーションは往々にして上質な紙で設られています。そして、それはあなたにだけ届いているのではなく、他の多くの医師にも同様の内容が送付されています。

そうなればその紙の費用や郵送費は誰が負担するのでしょうか。結局は物件販売時の価格に乗っかってくるということですね。

節税のメリットばかり訴求してくる

医師は年収が高いので、不動産投資による節税効果が大きくなります。それは事実で、その点を不動産会社側もメリットとして訴求してくるでしょう。

しかし、私はこの営業手法が誠実だとは思いません。理由は、節税はあくまで不動産投資で得られる副次的な効果に過ぎないからです。

大事なのは、今後の値上がりや高稼働率が維持できる物件が紹介されるかどうか、です。そのためには物件の見極めや仕入れルートが確立された会社から、購入する必要があります。

信頼できる情報サイトで不動産業者の評判を知る

不動産投資に失敗しないためには、業者選びも重要です。不動産業者の良し悪しは、当ブログを参考にするか、対象の業者の記事が見つからない場合は、以下の方法で調べましょう。

転職会議などの求人口コミサイトでブラック寸前の企業も調べられます。

  • HOME4U
    NTTデータが運営する「悪徳業者にひっかからない対策サイト」です。このサイトでは、不動産業者を徹底的に監視し、問題があると排除しています。不動産を「買いたい」、「売りたい」、「貸したい」などに分類されているので、ニーズに合わせた検索が可能です。

ここで、ご紹介したサイトで検索すると、対象業者のおおよその実像が浮かび上がってきます

ただ業界でしか共有されない情報というのもあります。今検討している会社が誠実か、気になる方はLINEでいただければ私が知っている限りの情報になりますが、共有できます。

不動産に投資する際は物件ごとに収支計画をたて物件を評価する

不動産投資は、不動産賃貸業を行うことと同義です。事業を開始するためには、事業にかかわる計画が重要です。

信頼できる不動産会社なら、実態に基づいたリアルなシミュレーションを作成してくれるでしょう。

逆に、

  • 家賃がずっと変動しない(上がるケースもあれば下がるケースも)
  • 空室が一度もない
  • サブリース契約前提
  • 税金や修繕費が入っていない

などのシミュレーションを作成する会社は危険です。

信頼できる不動産会社を見つける

銀行からの高属性評価を理由に医師を狙って、資産性の低いワンルームマンション投資を進めてくる悪徳不動産業者は非常に多いため、信頼できる不動産業者を探すのが大変です。

一方、信頼できる業者を見つけることができれば、5~10年保有で数百万円のキャピタルゲインを狙えるため、ワンルームマンション投資は非常に良いものになります。

信頼できる不動産業者の特徴は、

  • 代表or担当が職人気質である(単純に不動産が好き)
  • 会社の規模拡大を目的としていない
  • 顧客を勝たせようとする姿勢がある

などがあります。

代表or担当が職人気質である(単純に不動産が好き)

不動産はかなり奥深い投資商品であり、一つの物件を評価するためには物件の情報だけでなく、周辺エリアの家賃状況、再開発情報など、様々な角度から情報を仕入れる必要があります。

正直これは杓子定規に業務に落とし込むことが難しいため、やはり不動産が好き、という気持ちがないと、そもそも提案が良いものにならないことが理由として挙げられます。

会社の規模拡大を目的としていない

良い物件は、そんなにぽんぽんと出回らないものです。市場にある多くは売れ残りの物件であるため、良い物件が出たタイミングで紹介をしている会社が真っ当です。

会社規模を大きくするということは、よくない不動産も販売することになるので、投資家にとってマイナスになります。そのため、無闇に会社規模を求めている会社は投資家と反対の方向を向いていると言えます。

顧客を勝たせようとする姿勢がある

これは当然求めたい部分です。

見極める方法としては、不動産投資で投資家にとって耳が痛いことも誠実に説明してくれるかどうか、です。

シミュレーション作成時然り、税金面然り、空室リスク然りです。

これができない営業マンは正直キケンです。耳障りの良い言葉だけをならべて誤魔化そうとしている可能性が高いです。

借上システム(サブリース契約)には要注意

多忙な医師が不動産投資に失敗する理由の一つが、購入した不動産の借上システム(サブリース)に依存してしまうことです。

通常の賃貸管理業務委託であれば、家賃収入の5%で済むところ、借上システムでは10%から20%が引かれます

さらに国民生活センターでは、借上システムで以下の被害が報告、相談されているのです。

  • 勝手に賃料を値下げされた
  • 解約できずに売却のタイミングを逃した
  • 解約する際に高額な手数料を請求された
  • 不要な修繕をされたうえに修繕費を請求された
  • 売却しづらく大幅に値切られ損をした

上記のとおり、借上システムは大抵の場合、管理会社が状況に応じて家賃を下げる権限を持つため、完全に家賃を保証するものではないということが分かります。

サブリース契約も、投資家の判断を鈍らせるワナと言えます。

そもそも立地の良い物件を購入することが前提ですので、サブリースは必要ありません。

まーくん
まーくん
極力サブリース契約を結ばないに越したことはありません。しかし、どうしてもという場合には、契約する前に管理人までLINEしてください。サブリース契約に関する注意事項や出口戦略時における解約の裏ワザなど、役立つ情報をお伝えできますよ。

金融機関は有利な条件を提示してくれるところに絞り込む

不動産投資でもっとも大きなコストの一つが、不動産ローンの金利です。金利が高いと手出し額は単純に増加しリスクも高まります。

節税対策をしながら資産を築くために不動産投資をしているのに、金利が高いと本末転倒となってしまいかねません。

銀行にとって、医師に担保付きの不動産ローンを提供することは銀行が保有する債権の格付けとしても最高レベルになりますので、自信をもって不動産会社に交渉しましょう。理由をつけて高い金利にしようとする不動産会社は金融機関と裏で繋がっているケースもあります。

一般的にサラリーマンには融資しない銀行が、医師である投資家には投資用不動産ローンの融資がおりたケースもあります。しかもとても低い金利でです。医師である時点で不動産投資は有利だということですね。

まーくん
まーくん
不動産ローンの条件は、物件の買取交渉と同じかそれ以上に重要です。不動産投資のコストは、金利、修繕積立金、建物管理、マンションの管理費、賃貸管理費、固定資産税などがありますが、フルローンで購入すると金利が一番大きなコストになりますからね。

医師が不動産投資で失敗したときの解決策

不動産投資で失敗したと感じたときは、以下の点を検討し実行しましょう。

  • 保有物件の空室率を平均と比較する
  • 良くない物件に関する周辺環境など将来性を調査する
  • 調査結果が良くなければ、持ち続けるか、損切りするかを選ぶ

保有物件の空室率を平均と比較する

良くない物件とは空室率が高い物件で、次のことが想定できます。

  • 物件のエリア自体に人気がない
  • 物件のエリアが賃貸マンション激戦区で過当競争が始まっている
  • 物件のエリアよりも人気が高いエリアが近郊に存在する
  • 売却するときに大きく値を下げないと売れない

つまり、物件のエリアそのものの人気が落ちたか、供給過多で需要が追いついてない可能性が高まります。

出典:株式会社タス

株式会社タスによると東京23区の2023年6月のマンションの空室率は平均10.01%です。

ただ、一般的に不動産投資で投資対象となるワンルームマンション投資に限れば都内の空室率は3~5%ほど。

ワンルームマンションでこれよりも高ければ、空室率が高い物件と判断することになります。ただ物件価格が安ければ損益分岐点にすぐ到達するので、最終的には空室率、保有年数、残債等、現在の評価額とあわせて総合的な判断が必要です。

出典:株式会社タス

ちなみに、㎡あたりの月家賃が4,000〜5,000円に達する中央区や千代田区などに位置するハイクラス賃貸マンションの空室率は、平均3.4%前後となっています。

このように、東京圏でもエリアによっては空室率に大幅な格差があるので、所有している物件の所在地とクラスを当てはめて判断しましょう。逆に言えば立地の良い物件さえ購入できれば不動産投資は成功したも同然とも言えます。

また、地方アパートは空室率20%前後と言われています。

まーくん
まーくん
仮に空室率が高い物件でも持ち続けることで損益分岐点に到達することが可能なケースもあります。慌てず、総合的な判断が必要です。

良くない物件に関する周辺環境など将来性を調査する

次に良くない物件エリアの周辺環境が都市計画などによって、近い将来需要が改善する可能性について調べます

例えば、東京であれば東京都や区のホームページに都市計画について、進捗状況などが記述されています。記述内容が曖昧な場合は、区に直接問い合わせても良いでしょう。

調査結果が良くなければ、持ち続けるか、損切りするかを選ぶ

調査の結果、空室率が高く、保有物件のエリアのポジティブな材料もないとなれば、損切りも視野にいれた検討が必要です。

損切りする場合、一旦は赤字覚悟で売却してしまい、その損失を都内の好立地のワンルームマンションを購入することで取り戻す、という方法がおすすめです。

本記事内で何度もお伝えしているように、ワンルームマンション投資は物件をしっかり選べば5~10年保有で数百万円の利益を出すことが可能です。そうした物件を複数持つことで、不動産投資でできた損失を取り戻すことができるのです。

また、単純に管理会社の問題で入居付け活動を積極的にしていない場合や、そもそも相場家賃とかけ離れた設定をして空室が続いている場合もあります。この場合は管理会社の変更で解決することがほとんどですが、悪徳業者は管理会社の変更にペナルティをつけている場合があります。管理契約書に詳細は書いてありますので、分からなければ私に聞いてください。

まとめ|医師が不動産投資で失敗する確率は90%

「医師が不動産投資で失敗する確率は90%もあるのか?」について、その理由と解決策、失敗しない不動産投資の方法についても解説しました。基本的には自社の売り上げしか見ていないような悪徳不動産会社に絡め取られてしまっているケースがほとんどです。

まっとうな業者さえ見つけられれば、逆にほぼ成功する投資とも言えます。

繰り返しになりますが、不動産投資は転入人口が増加傾向にある都市部が大前提で、そのなかでも人気エリアに絞ることが重要です。

日本の不動産はニューヨークやロンドンの不動産価格と比べると割安感があり金利も低いため、2023年に入ってからは海外の不動産投資家が投資しはじめていて、良い物件の競争はますます激化しています。

そんな中、良い物件に投資をするには、ますます優良な不動産業者とのコネクションが重要になってきています。

まーくん
まーくん
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元不動産屋のワンルームマンション投資ブログ