プルデンシャル生命保険の外貨建保険が人気を集めているそうです。
一方、外貨建て保険については金融庁への相談が増えているようで、2023年9月、金融庁から金融庁は外貨建保険について注意喚起するとともに本格的な実態調査に乗り出すとの発表がありました。
金融庁の発表をみる限り、入会した際の顧客の認識と契約内容に齟齬があるような印象を持ちました。
ちなみにプルデンシャル生命といえば、報酬体系がフルコミッションのためか、お金に執着の強い営業マンが多い印象です。本記事ではその辺りについてもしっかり解説していきます。
プルデンシャル生命保険株式会社の企業情報
プルデンシャル生命保険は、米国プルデンシャル・ファイナンシャルグループの一員で日本の生命保険会社です。
プルデンシャル生命保険の会社概要
会社名 | プルデンシャル生命保険株式会社 |
所在地 | 〒 100-0014 東京都千代田区永田町2-13-10 プルデンシャルタワー |
電話番号 | 03-6274-6550 |
創立年月日 | 1987年10月 |
資本金 | 290億円 |
主な役員 | 取締役会長:濱田元房 代表取締役社長兼最高経営責任者:間原寛 |
主な事業内容 | 生命保険業及びそれに付随する業務 |
従業員数 | 6,650人(2022年度末) |
上場市場 | 未上場 |
保険料等収入 | 1兆4,330億円(2022年度末) |
保有契約件数 | 450万3,727件(2022年度末) |
保有契約高 | 43兆4,644億円(2022年度末) |
関連会社 | ・プルデンシャル・ファイナンシャル(米国) ・ジブラルタ生命保険(日本) ・プルデンシャル ジブラルタ ファイナンシャル生命保険(日本) ・PGIM(米国) |
会社HP | https://www.prudential.co.jp/ |
アメリカ最大級の保険・金融サービス機関の一員
プルデンシャル生命保険株式会社は、アメリカ最大級の保険・金融サービス機関プルデンシャル・ファイナンシャルの一員の生命保険会社です。
2005年、あおば生命保険(旧:日産生命保険)を吸収合併し、営業基盤の拡大を図って現在に至ります。
ソニー・プルデンシャル生命保険の合併は解消
1979年に、当初ソニーとの合弁でソニー・プルデンシャル生命保険が設立されました。その後、合併を解消し1987年10月にプルデンシャル・ファイナンシャルの100%子会社として設立した経緯です。
ソニー・プルデンシャル生命は現在のソニー生命となりましたが、プルデンシャル生命保険とは繋がりがありません。
営業人員をライフプランナーと呼んでいる
同社は、営業人員のことを「ライフプランナー」と呼び、契約者と担当ライフプランナーによる徹底した担当者制度を敷いています。
ライフプランナーはすべて異業種からヘッドハンティングして採用しており、過去に生命保険業界で就労経験がある人は採用されません。徹底した研修システムにより、知識量や提案内容には高い評価をされることが多いとされます。
また、CMや広告などによる宣伝活動は殆んど行わず、代理店制度もないため、ライフプランナーによる販売が唯一の販売チャネルです。
ライフプランナーには営業ノルマがない代わりに、3年目からは完全歩合制の契約社員となるため、収入の目途が立たず辞める人もいるといわれています。
プルデンシャル生命保険に報告徴求命令?
金融庁はプルデンシャル生命保険に対して、報告徴求命令を出していることが報道されました。
理由は、元社員が架空の金融商品への投資を契約者などに持ち掛けて金銭をだまし取っていたためとのこと。
架空の投資話を持ちかけるということは、将来確実にトラブルになることが目に見えています。それなのに目先のお金欲しさにこうした行為をしてしまうというのは、正直信じられません。
今後、もしプルデンシャルの保険営業マンから営業を受ける機会があれば、自らの資産を守るためにも慎重に判断する必要がありそうですね。
プルデンシャル生命保険のサービスの5つの特徴
プルデンシャル生命のサービスには、以下の5つの特徴があります。
- 保険商品が豊富
- ライフプランナーが顧客ごとにカスタムメイドでプランを提案
- 初回面談から申込まで全てオンライン
- リビング・ニーズ特約がある
- 骨髄ドナー給付「ドナー・ニーズ・ベネフィット」がある
それぞれ見ていきましょう。
保険商品が豊富
プルデンシャル生命には、大きく分けて円建保険が6種、外貨建保険が3種と、9つの保険商品があります。ただし、同社の保険はすべて無配当となっていますので、ご注意ください。
<円建保険>
終身保険 | ●終身保険 ●修正払込方式終身保険 |
養老保険 | ●養老保険 ●リタイアメント・インカム 【年金支払型特殊養老保険】 |
定期保険 | ●解約返戻金抑制型家族収入保険 (高度障害療養加算型) ●平準定期保険 ●低解約返戻金型平準定期保険 ●無解約返戻金型平準定期保険 ●逓減定期保険 |
疾病・医療保険 | ●解約返戻金抑制型入院保険 (一時給付金型)(入院一時金簡易支払サービス) ●がん診断保険 |
介護保険 | ●介護終身保険(認知症加算型) ●介護一時金保険 |
就労不能障害保険 | 解約返戻金抑制型就労不能障害保険 |
<外貨建保険>
プルデンシャル保険には、投資性が高く資産運用型の外貨建保険が豊富にあります。ただし、外貨建保険もすべて無配当で為替差益を目指すものとなっており、元本保証はありませんので注意が必要です。
為替差益を狙う以上、為替による損失の可能性もあります。リスクとリターンは表裏一体ですから。
外貨建保険 | ●米国ドル建終身保険 (円換算払込特約/円換算支払特約/円換算貸付特約) ●米国ドル建特別終身保険(無告知型) (生存保険金特則付) (円換算払込特約/円換算支払特約/円換算貸付特約) ●米国ドル建リタイアメント・インカム 【米国ドル建年金支払型特殊養老保険】 (円換算払込特約/円換算支払特約/円換算貸付特約) ●米国ドル建介護終身保険(認知症加算型) (円換算払込特約/円換算支払特約/円換算貸付特約) |
変額保険 | ●変額保険(終身型) ●変額保険(終身型)[一時払] |
個人年金保険 (ジブラルタ生命) | ●通貨指定型個人年金保険(無配当)(ジブラルタ生命) |
外貨建保険の通貨はすべて米国ドルがベースですが、個人年金保険はグループ会社のジブラルタ生命の商品で、豪ドルなどが選択可能です。
近年、外貨建保険は金融庁も注目しているようです。主に契約時の説明と顧客の認識のずれが要因のようですが・・・。
ライフプランナーが顧客ごとにカスタムメイドでプランを提案
同社のライフプランナー(営業)により、顧客ごとのライフプランに合わせ、上記の豊富な商品を組み合わせオーダーメイドで設計し提案してくれます。
ライフプランナーは通常の保険営業とは違い、専門性が高くそのサポート力には定評があるとされており、顧客への指示的な姿勢には評価が高いようです。
外資系にありがちな、いわゆる「顧客を教育する」という認識があるのかもしれません。この辺りは、後で評判を見てみましょう。
なお、同社の保険への加入はすべて、ライフプランナーを通じてのみとなっています。
初回面談から申込まで全てオンラインで可能
同社のライフプランナーとのやり取りは、直接面談しなくてもビデオ通話を通じても行えます。スマホやタブレット、PCから予約すると、ライフプランナーからオンライン相談の方法について連絡が入る仕組みです。
加入前から加入後まで、ビデオ通話で対応しており、契約時の署名もスマホやタブレットで行えます。
リビング・ニーズ特約がある
リビング・ニーズ特約(LNB)とは、被保険者が「余命6カ月以内」と判断された場合に生前のうちに死亡保険金の一部または全部を保険金を支払ってもらえるサービスです。特約保険料は無料で、特にオプション料金は発生しません。
また、病気やけがの種類を問わず請求することができるので、治療費にもあてられます。但し、以下の条件が前提です。
- 請求できる保険金額の限度がある
- 請求金額から6カ月相当分の利息および保険料相当額が控除される
- 請求は、一保険契約につき1回が限度
骨髄ドナー給付「ドナー・ニーズ・ベネフィット」がある
骨髄ドナー給付サービス「ドナー・ニーズ・ベネフィット」(DNB)とは、血液難病患者へ骨髄等を提供するため、手術を受けたドナー(提供者)に対して、同社の各種医療保険・入院保険・入院特約等から疾病入院一時金等を支払うサービスです。
骨髄ドナーとなる方たちの負担を経済的な側面からでも軽減したい、不足がちな骨髄ドナー登録を推進したいことに役立つ仕組みになります。
ただし、骨髄幹細胞採取手術(末梢血幹細胞採取手術を含む)による疾病入院一時金(骨髄ドナー給付)の支払いは、保険期間を通じて一被保険者につき2回が限度です。
さすが、外資系の大手保険グループで、さまざまなサービスが充実しています。ただ、保険料についてもしっかり検討する必要がありますね。」
プルデンシャル生命の営業マンの特徴
プルデンシャル生命といえば、営業マンは3年目からフルコミッションになります。そのためか、かなりガツガツしている人が多い印象ですね。
プルデンシャル生命の営業マンについては、色々なところで話を聞きます。あんまり詳しく書くと怒られそうなので、もし知りたい方はLINEください。
ちなみに下記の特徴が当てはまったら、その営業マンとは距離をとった方が良いでしょう。。
こういった営業マンは要注意!
- 保険の紹介で時間をとったのに、不動産業者や怪しい投資案件を紹介してくる
- 顧客目線というより自分目線、保険を売りたい気持ちがすごく伝わってくる
- 自分の経歴やMDRTなどの実績を自慢してくる
- 熱量が高すぎる営業マン。例)㉚分だけ時間をください、やたらと感謝やありがとうという言葉を使う等
- 顧客の紹介を求めてくる営業マン
- 過去の自分の扱っていた商品やサービスを否定する
など、とにかく自分が儲かれば良い、と考えている営業マンは絶対に付き合ってはいけません。
ちなみに田中は付き合う営業マンをかなり厳選しています。田中が付き合ってる営業マンの特徴についても書いておきます。
過去にプルデンシャルから独立後に別の保険を営業してきた自分本位の人もいました。。
理想の営業マン像(田中が付き合っている営業マン)
私が思う理想の営業マンは、顧客の人生に対する責任を理解している営業マンです。
本当に顧客のことを思って動ける営業マンというのは、責任を持って提案してくれます。それこそ、所属する会社が変わったからといって、違う保険を売るなんてことはしません。
こういった、ある意味融通の気かない、職人気質な営業マンは、ガツガツした営業もしませんし、かといってお金にも困っていません。元々実家が裕福であったり、きっちりした人がおすすめです。営業成績よりも顧客の満足度に重きを置きますからね。
私もたくさんの営業マンに会ってきましたが、こういった営業マンと付き合いを深くすることが、資産形成がうまく回っている一つの要因です。
プルデンシャル生命保険の口コミ・評判
同社の評判を、X(旧Twitter)で調べてみましたので、参考にしてください。
20代前半にプルデンシャル生命で加入した保険が、今月で支払い金額と払い戻し金額が同額になった このままにしとけば高利率でザックザクと増えるのみ\( ˆoˆ )/ うれぴこす ●解約返戻金 5,050,820円 ●支払予定額 5,050,820円 |
出典:X(旧Twitter)
今日はプルデンシャル生命様の朝会にて、骨髄バンクのお話をさせて頂きました。持ち時世界規模で社会貢献dayがある企業で、毎年献血バスを呼んでいるらしく、今年は骨髄バンク登録会併設型での開催のお願いをしました |
出典:X(旧Twitter)
プルデンシャル生命首都圏第一支社で在宅介護の勉強会をさせていただきました。勉強会を通して、在宅と施設について求められる知識が何か明確になりました。逆に勉強になりました。参加してくださった方々、ありがとうございました。 |
出典:X(旧Twitter)
上記のように概ね良い評価が多い印象でした。ただ、外貨建保険については・・・な印象です。ちなみに良い評判にあった解約返戻金と支払総額が同じになるのには、20年満期の商品でも17年かかります。
プルデンシャル生命保険を利用する際の注意点
プルデンシャル生命保険を検討する方は以下の点に注意してください。
- 保険料が高い
- 予定利率・積立利率は銀行の預金金利とは別物
- 外貨建て保険は為替リスクがある
保険料が高い
同社の保険料は評判にもあったとおり、他社に比べて高めです。さまざまなサービスが付随していることが要因でしょう。
他社の保険の保障内容などと比較して、自分に必要なサービスかどうかを検討しましょう。
予定利率・積立利率は銀行の預金金利とは別物
プルデンシャル生命の養老保険の予定利率は2.25%で、日本の生命保険業界ではトップクラスです。
しかし、よくある誤解として「予定利率=積立利率=金利」と考えてしまいがち。それぞれの意味合いは以下のとおりです。
- 予定利率:死亡保障に対する保険料を決める時に影響する利率
- 積立利率:保険料から経費などを差し引いた積立部分に適用される利率
- 利回り(実質利回り):支払った保険料と受け取った金額の収益の割合
予定利率と積立利率は保険で使われる特殊な利率であり、銀行金利や利回りとは、意味合いが異なります。上記のなかでは「利回り(実質利回り)」が、実際の収益を表します。
例えば、予定利率2.25%で40歳男性が月払い410.5ドルを20年間支払った場合、以下のとおりとなります。
<例>
月額保険料:410.5ドル
死亡保障:50,000ドル
年金月額:500ドル
払込期間:20年間(60歳満了)
保険期間:60歳まで
払込保険総額:98,520ドル
満期保険金:103,299ドル
103299 ÷ 98,520 = 1.0485
つまり、満期保険金の利回りは104.58%です。
<一括受取利回り>
20年後(60歳):104.9%(年平均利回り:0.245%)
これを確定年金で20年にわたって分割で受け取ると、月額500ドルが20年間(240ヶ月)なので、合計受取額は120,000ドルになります。
<年金受取合計額>
40年後(85歳):121.8%(年平均利回り:0.545%)
これらが、同社の養老保険の実質利回りであり、銀行の預金金利に相当する部分です。
銀行の1年物定期預金金利でも0.25〜0.35%ですからね・・・。
外貨建て保険は為替リスクがある
評判でも注意喚起されていた外貨建保険です。1ドル110円の頃に契約していた人は2023年10月現在150円弱なので、確かに儲かっていることでしょう。
しかし、逆を考えてみてください。1ドル150円のときに契約し、5年〜10年後に1ドル100円になったらどうなるでしょうか?
こういった将来の為替リスクが見えない点が外貨建てのリスクになります。
とはいえ、個人的には日本円が今後長期的に円高に振れる可能性は低く感じているので、ドル建ては将来的には得すると考えています。
むしろ円安に触れていく中で保険料を継続的に支払えるのか、という点について検討すべきだと考えています。また為替による差益だけを狙うならわざわざ保険ではくてもドル預金すれば済みます。
プルデンシャル生命保険に向いている人・向いていない人
プルデンシャル生命保険に向いている人または向いていない人について、考察します。
プルデンシャル生命保険を利用するのに向いている人とは
一般のサラリーマンの方で資産運用も兼ねたいが、外貨預金やその他の運用方法がよくわからないという人には、向いているかもしれません。
ただし、保険は途中解約するとかなり目減りしてしまうので、満期まで問題なく支払えるかどうかをしっかりと検討しましょう。特に昨今は円安傾向が続いてますので、ドル建ての積立だと予想外に支払う額が上がってしまう可能性があります。
プルデンシャル生命保険を利用するのに向いていない人とは
たとえば大企業や行政機関でお勤めの方は、一般のサラリーマンに比べ、さまざまな手厚い保障制度があることが多く、それらの保障内容と同社の保障内容が被ってしまうかもしれません。
保険料コストを下げ、必要な保障内容の商品を検討しましょう。もし資金運用したいという場合には、不動産投資を検討するのも有利な選択肢の一つです。
意外に知られていませんが、不動産投資ローンには団体信用生命保険という生命保険付きで、保険料は毎月の返済額に含まれています。
万一の場合はローンの残債の範囲で保険から全額返済してくれるため、ご家族に家賃収入付の不動産をそっくり残してあげることができます。
まとめ
プルデンシャル生命保険の評判を中心に、同社の特徴や利用する際の注意点について、解説しました。
同社の評判にもあったとおり、外貨建保険は危険です。保険とは万一の事態に備えるものであり、資金運用と混同するべきではありません。必要な保障内容に絞れば毎月の保険料は半額近くで済むこともあります。
また、国内の代理店が扱う保険でも年利10%以上で増えるものもあります。
個人的には、不動産投資を行っているので生命保険代わりは十分保証されているので、最低限な医療保障とお金が増える保険の二本立てで資産を増やしています。
不動産投資を法人で行えば経費として使える保険もあり、節税スキームにもなります。それぞれ保険会社は変えていますのでそのあたり融通がきく代理店や営業マンに相談するのが一番ですね。