ワンルームマンション投資って?仕組みやメリット・デメリットを紹介

「不動産投資」というと、一般的には2LDKのカップル向けマンションや、ファミリー向けマンションへの投資を連想する方が多いと思います。地方の割安な中古マンションを一棟買いして、リノベーションで大きなリターンを狙う…なんてイメージを持っている方もいるのではないでしょうか?

ですが、ファミリー向けマンションは総じて物件価格が高額となりますし、地方の物件は大きなリスクも抱えることになります。そこで「もっとローリスクで始められる不動産投資ってないの?」というニーズに応えてくれるのが、今回紹介するワンルームマンション投資です。

ワンルームマンション投資とは

ワンルームマンション投資は、ハイリスクといわれる不動産投資の中でも特にローリスクで始められる投資です。比較的リスクが少なく、資産価値も落ちにくい特徴を持ちます。

投資の仕組み自体は不動産投資と同様。ワンルームマンションの一部屋、または一棟丸ごと購入し、それを他人に貸し出すことで毎月の家賃収入(インカムゲイン)を狙います。また、物件を売却する際に得られる売却益(キャピタルゲイン)を目当てに投資する方も少なくありません。

「攻め」の不動産投資は90%が失敗に

不動産投資全体を見てみると、実は成功率は10%未満しかないのが実情です。空室リスクや修繕リスクなどがかさみ、トータルで見ると赤字になってしまっている不動産投資家は数多くいます。

ただし、これほど成功率が低いのは「攻め」の不動産投資を試みた場合に限ります。攻めの不動産投資というのは、地方にある中古マンション・アパートへの投資や、海外不動産への投資があげられます。

こうした不動産投資は、当たれば一発で莫大な利益になる可能性を秘めているものの、その多くは失敗してマイナスを抱え込む不良物件となってしまうのです。ですので私たちも、攻めの不動産投資はよほどの上級者か、潤沢な資金を持った方以外にはおすすめしないようにしています。

ワンルームマンション投資の会社員に人気の理由

このワンルームマンション投資は、実はサラリーマンを中心に近年大きな注目を集めている分野だったりします。一般企業に勤める人はもちろん、公務員、OLからも人気を博しており、関連書籍やブログも増加傾向にあります。

では、なぜワンルームマンション投資がこれほど人気を集めているのでしょうか?

手間がかからない

その理由の1つは、「手間がかからない」ことにあります。

ワンルームマンション投資を始める人は普通の会社員や公務員の方で、日中は仕事があって十分な時間を確保するのが難しいという投資家がほとんど。そんな人々が不動産投資に挑戦してしまえば、物件の管理や共用部分の清掃などが大きな負担になってきます。

しかしワンルームマンション投資の場合、9割以上の投資家がこうした雑務を「管理会社」に委託しています。賃貸の部屋に住んだことがある方ならわかると思いますが、住んでいる部屋にトラブルが発生した時、普通は大家さんに直接連絡するのではなく、物件の管理会社に電話しますよね。

その管理会社が業者さんを呼んだり退去の手配をしてくれたりするので、中には大家さんと一度も顔を合わせないまま部屋を出て行く…となった経験がある方もいるはずです。それだけ管理会社の役割は大きく、物件の持ち主にとっても住人にとっても心強い存在なんですね。

この管理会社を使えば、忙しいサラリーマンであっても不動産投資に挑戦することができるようになります。「でも、委託料って高いんでしょ?」と思われるかもしれませんが、実は毎月数千円程度が相場。コストを気にすることなく管理業務を丸投げできるわけです。

自己資金ゼロでも始められる

また、「自己資金ゼロでも始められる」のもワンルームマンション投資の人気の理由です。

不動産投資といえば多額の自己資金が必要という印象がありますが、実際には100%銀行からの融資を受けて購入することも可能だったりするんです。販売価格が1000万円の物件を購入するとして、1000万円の融資(フルローン)を受けて丸々ローンを組むことも可能なんですね。

すると、結果として自己資金ゼロから不動産投資を始めることができてしまいます。毎月の家賃収入でローン支払いをまかなう必要がありますので、全額自己資金で購入した場合と比べれば、毎月の収入が少なくなることはいうまでもありません。

今では大手企業に勤めるサラリーマンでも、安定したイメージのある公務員でも、貯金ゼロという人が珍しくない時代です。そんな人々にとって、頭金ゼロで不動産投資を始められるというのは大きなメリットとなるでしょう。

なぜ「ワンルーム」なのか?意外と知らない3つのメリット

「でも、わざわざワンルームじゃなくてもいいのでは?」
「もっと広い部屋の方が長く住んでもらえそう」

そんな感想を持つ方もいるかもしれませんね。そこで次からは、あえて「ワンルーム」マンションへ投資する理由について3つご紹介していきます。

保険代わりにもなる

まず1つは、「保険代わりにもなる」点です。

不動産投資を始める場合、必ず「団体信用生命保険」に入らないといけないという決まりがあります。これは、住宅ローンの契約者が死亡してしまったり重い病気にかかってしまった場合に、ローンの残額を保険会社が肩代わりしてくれるというものです。

ワンルームマンション投資を通じて団体信用生命保険に加入すれば、万が一あなた自身が亡くなったとしても、残された家族に十分な資産と安定的な収入を残すことができます。下手に生命保険に入るよりも、圧倒的にコストパフォーマンスに優れた選択肢なのです。

節税になる

2つ目は、「節税になる」という点です。

ワンルームマンション投資は「不動産事業」に該当しますので、サラリーマンでも「経費」が使えるようになります。不動産投資に関連する出費を経費計上して、たとえば100万円だった利益を80万円に減らしたりすることができるんですね。

仮に税率が20%だったとして、100万円の所得があれば20万円の税金が発生します。しかし打ち合わせの飲食代や書籍代などを経費として計上して所得を80万円に減らせば、支払う税金は16万円に減少。4万円の節税になるわけです。

インフレに強い

ワンルームマンション投資の3つ目のメリットは、「インフレに強い」ことがあげられます。

インフレというのは、1万円の価値が9000円になったり8000円になってしまったりする状況のこと。専門的にいうと「物価上昇と貨幣価値の低下」が起こる現象ですね。要するに、現金を持っているとどんどん価値が減り、損をしてしまうということです。

一見悪いことのように思いますが、不動産投資をしている人の場合は「借金が少なくなる」というメリットを得ることができます。お金の価値が下がるということは借金の価値も下がるということですから、従来と比べてローン返済額が少なくなるケースがあるんですね。

現在日本では、ゆるやかなインフレが続いています。この先の未来を見据えても、インフレに強いワンルームマンション投資はあらゆる人におすすめできる投資なのです。

ワンルームマンション投資のデメリットとは

ワンルームマンション投資はよほどのことがない限り失敗がない投資手法ですが、
あえてデメリットもあげていきましょう。

キャッシュフローが悪くなる

多くのワンルームマンションは35年ローンで、毎月手出しが1万円、家賃収入と合わせて毎月10万円のローン返済、といったものが多いです。
手出しと言ってもローン返済にあてられるので、消費しているわけではなく、現金資産が不動産資産に変化してるわけですから損はしていませんが、キャッシュフローが悪くなると考える人もいます。

ただ、最近45年ローンで毎月収支プラスの物件も出てきていますので、キャッシュフローすらもデメリットではなくなってきています。

お金を借りていることに抵抗感を持つ

これは心理的な話ですが、借金をすることに強い抵抗を持つ人もいます。

借金している状態が夜も眠れず、ずっと落ち着かない、なんてことになる方は不動産投資はデメリットになると思います。数字上は守りの投資として非常に優秀な投資ですが、それは銀行からお金を借りるからこそ得られるメリットでもあります。借金自体が精神衛生にマイナスで傾向状態を悪化させるとするなら、さすがに私もおすすめできません。

ワンルームマンション投資は得か損か

ワンルームマンションは結論からいうと得をする投資商品です。
今後ますますインフレが進んでいき現金資産の価値は目減りしていきます。現物資産である不動産はインフレにも対応でき、インフレとともに価値を維持できます。

ワンルームマンションの出口戦略

ワンルームマンションには二つの出口戦略があります。

  1. 購入後5~15年で売却する
  2. ローンを完済し持ち続ける

ことですね。

まず1の選択肢ですが、ワンルームマンションはローンを返済していくとローン残債が減っていきます。一方物件価値はローン残債の減り方よりも緩やかに価値が下がっていき、一定のところで止まります。不動産価値は永遠には下がりません。(でないといつか価値がゼロになって家賃ゼロ円の物件が並ぶことになります。)

そして不動産価値がローン残債を上回ると売却益を期待できます。15年もあれば600~700万円ほどの売却益は狙えますから、年間50万円近くの副収入を得られる計算になります。また物件数を増やせばその数だけ利益が得られるので、他の副業よりも断然効率が良いです。

そして2の選択肢が持ち続けること、ですね。
年金はご存知の通り支給年齢引き上げと減額の憂き目にあっていて、その原因である少子高齢化はどんどん加速しています。つまりこの状況は今後悪くなる一方です。
老後資金の補填としてワンルームマンションの家賃を充当しよういう人も多いと思います。売却よりもこちらを選ぶ人の方が多いかもしれませんね。

まとめ

頭金ゼロからでも始められるワンルームマンション投資は、不動産投資の中でもローリスクで始められる投資です。その分だけローリターンになってしまうデメリットはあるものの、失敗せずに安定して稼ぎたいという方にぴったりな投資です。

生命保険としての役割を持たせたり、節税になって税金の額を減らしたりできるのもワンルームマンション投資の特徴。物件価格も控えめなところが多いため、不動産投資の第一歩として検討してみてはいかがでしょうか?