セカンドオピニオンとは「第二の意見」と直訳されます。医療では、一人の医師の考えを唯一無二と捉えず、複数の医師の知識を参考にする人も少なくありません。
これは、偏った見方をすると隠れたリスクや瑕疵などを発見しにくくなって対策ができず、期待した結果にならないこともあるからです。
不動産投資も同様ですが、この記事をお読みの方の中には不動産投資にセカンドオピニオンは必要?と疑問を持つ方がいるかもしれません。
そこで、当記事では不動産投資にセカンドオピニオンがなぜ必要なのかを具体的な例を引用しながら解説します。
不動産投資のセカンドオピニオンとは?

不動産業者のなかには、数字をあげたいばかりにリスクを投資家に押し付け、事実の一部しか説明しないという一方で、投資家側もアドバイスを求めない傾向があります。
しかし、不動産投資は多額の投資になります。問題の見落としがあると後々まで影響し最悪はローンの返済が遅れてしまってデフォルトを起こす危険まであるのです。
不動産の物件には、立地条件、建物のクオリティ、新築・中古物件、周辺の競合物件、地域の都市計画などさまざまな個性があります。投資家の年齢や職業、家族構成によっても投資対象物件が変わることまであるのです。
そのため投資家によっては、投資歴が長くても必ずセカンドオピニオンに相談したうえで、最終投資判断して成功している方も少なくありません。
それでは、どのようなケースでセカンドオピニオンが必要になるのかを見ていきましょう。
不動産投資のセカンドオピニオンを無視した失敗例

ここでは、不動産投資のセカンドオピニオンを無視して、失敗してしまった例をご紹介します。
- ワンルームマンション
- 購入後、営業マンの説明よりも多くの費用がかかっている
- 節税対策を鵜呑みにしたが、2年目以降は増税だった
- 新築を購入したが入居者が決まらず半年がすぎた
- サブリースで安心と思いきや保証賃料を下げられた
- 管理している不動産会社が倒産し、家賃が振り込まれなくなった
- 既存の管理契約を家賃が振り込まれない事態を理由に解約
- 新しい管理会社を見つけて契約し、入居者に連絡する
- 購入した不動産会社から残債+100万円で買い取れると連絡がきた
- 購入して5年程度を想定。もっと高く売れる
- 一棟
- 表面利回りが良い不動産を購入したが実質利回りは表面の半分以下に
失敗例1:購入後、営業マンの説明よりも多くの費用がかかっている
ある不動産投資家は、不動産会社の営業から表面利回りが高く、儲かる物件と勧められ築古物件を購入しました。
しかし、この物件は水回りで水漏れなどが発生し、修繕費用の見積もりを依頼したが予想を遥かに超える修繕費がかかることが判明。入居者に迷惑をかけるため、やむを得ず修繕しました。
この投資家は、このような物件は手放したいと考え売りに出しましたが、希望どおりの価格で売れずさらに損失が膨らみました。
この失敗例には、主に以下の原因があります。
- 築古物件は表面利回りが高くなる代わりに、リスクも高くなる点の理解不足
- 中古物件なのに売買契約書で売主の瑕疵担保責任を免責してしまっている
- 多額の修繕費をかけたのに嫌気だけで売り急いでしまっている
- 不動産業者の言いなりで不動産投資のセカンドオピニオンに相談しなかった
失敗例2:節税対策を鵜呑みにしたが、2年目以降は増税だった
表面利回りが高く、賃貸付の中古物件でよくある失敗事例です。不動産は土地と建物に分けられますが、建物は電気と水回りなどの設備と建築部分に分けられます。
RC造の建築部は、47年償却ですが、設備関連は15年償却です。つまり、築15年を経過した場合は、設備が償却できません。
このことを知らずに確定申告しても、税務署は設備償却を認めてくれないため、帳簿上利益となり増税になってしまうのです。
この失敗例には、主に以下の原因があります。
- 不動産投資による節税範囲がどのようなものか掌握していない
- 不動産営業のいい加減な節税効果論を鵜呑みにした
- 節税目的なら新築か築浅物件を選ぶべきなのに表面利回りだけに注目している
- 不動産投資のセカンドオピニオンに相談しなかった
失敗例3:新築を購入したが入居者が決まらず半年がすぎた
不動産は立地条件で入居者の申し込みがあるかないかが決まります。特に学生街などの賃貸市場激戦区で、入学時期を逃してしまうと、その後1年間入居者が決まらないということもあるのです。
この失敗事例は、物件が人気エリアかどうか、賃貸の需給バランスがどうなのかを調べずに、購入した投資家によく起きる失敗と言えます。
不動産業者は、このように売りにくい物件を熱心に勧めてくる傾向があります。
この失敗例には、主に以下の原因があります。
- 購入する際の十分な市場調査を怠っている
- 不動産会社の営業トークを鵜呑みにした
- 不動産投資のセカンドオピニオンに相談しなかった
失敗例4:サブリースで安心と思いきや保証賃料を下げられた
サブリース(一括借り上げシステム)の家賃保証という言葉に騙されることがもっとも多いケースです。サブリース契約では、2年ごとに業者が保証する家賃の決定権が業者側にあるという契約規定になっている傾向があります。
このことをチェックせず契約書に捺印した瞬間から、あなたの物件の取扱い権限は、家賃をあなたに払っているうちは、業者に移るのです。
物件の取り扱い権限が業者に移ると入居者が誰なのか、家賃がいくらなのか、どのような目的で物件を使用しているのかも開示されません。極端な事例では、風俗店が入居して営業していたということまであります。
この失敗例には、主に以下の原因があります。
- サブリース契約の家賃保証のみに気を取られ、デメリットを把握できていない
- サブリース契約のトラブル事例を調べていない
- サブリース付き物件の売買事例を調べていない
- 不動産投資のセカンドオピニオンに相談しなかった
失敗例5:管理している不動産会社が倒産し、家賃が振り込まれなくなった
不動産投資をしている方の殆どが、賃貸管理を不動産管理会社に委託しています。しかし、管理会社が倒産すると、当たり前ですが家賃は振り込まれません。
不動産管理委託契約書には、以下の条項が記載されていることが一般的です。
| 甲又は乙は、相手方について次の各号のいずれかに該当する事由が生じたときは、何らの催告を要せず、直ちに、本契約又は個別契約の全部又は一部を解除することができる。 1.支払停止若しくは支払不能に陥ったとき、又は 手形若しくは小切手が不渡りになったとき 2.破産、民事再生、会社更生手続又は特別清算の申立てがあったとき 3.監督官庁より営業許可の取消し、停止等の処分を受けたとき |
不動産会社が倒産すると、この条項に沿って即刻委託契約を解約する必要があります。
また、新たに不動産管理会社を見つけて委託契約を締結し、入居者に管理会社と家賃の振込先口座の変更通知をできるだけ早く行うようにしなければなりません。
また、振り込まれなかった家賃の支払いや敷金を預けている場合の保全と回収についても法的に対処する必要があります。とはいえ、なかなか法的な対処は骨が折れますし、自主的に倒産した会社から振り込まれることもありません。
この失敗例には、主に以下の原因があります。
- 不動産管理会社の評判など調査を怠った可能性がある
- 不動産管理会社の業歴や企業信用調査を怠った可能性がある
- 不動産投資のセカンドオピニオンに相談しなかった
失敗例6:購入した不動産会社から残債+100万円で買い取れると連絡がきた
東京圏で新築ワンルームマンションを購入して5年前後が経過すると、不動産会社から不動産ローンの残債に100万円を上乗せするから売却しないかというオファーが来ることがあります。
フルローンで購入していると、100万円儲かると考えてしまう人が多いのが実状です。しかし、不動産業者はローン残債に100万円上乗せしても儲かる仕入れをしようとしていることに気づかないため、後悔することになってしまいます。
例えば、3,000万円のワンルームを35年の利息2.8%のフルローンで購入したとすると、5年後には以下のようになります。
- 月々返済額:112,132円(元利均等)
- 借入残高:27,289,924円
業者に100万円乗せで売却すると、2,830万円になります。しかし、市場調査をすると東京23区内の駅近ワンルーム築5年であれば、購入した3,000万円よりも高額で取引されていることが分かる筈です。物件によっては数百万円もね上がっているケースも珍しくありません。
サブリース契約をしてしまっている場合には、相場よりも1割から2割安くなってしまうケースもありますが、一般管理委託の場合には上記が相場です。
必ず、近隣のよく似た物件などの取引事例を調べた上で判断しましょう。
この失敗例には、主に以下の原因があります。
- 市場調査をせずに不動産業者が提示する目の前の条件に乗ってしまっている
- 不動産投資のセカンドオピニオンに相談しなかった
一言:不動産会社からの買取オファーは大体損します。
失敗例7:表面利回りが良い不動産を購入したが実質利回りは表面の半分以下に
表面利回りがよい不動産広告をよく見かけます。この失敗例では、中古ながら築浅でRC造の一棟売りマンションを購入した事例です。
最初に購入したワンルームマンションの表面利回りは3.8%で毎月の返済には手出しで1万円以上が必要になっていました。
ある日、広告を見ていて小田原にある表面利回り8.8%の一棟売りマンションをみつけました。築8年で2LDKが14室あるRC造です。これなら手出しは必要ないし、まとまった家賃収入が得られると考えフルローンで購入。
結果は、毎月の手出しが30万円近く必要になり、諸経費を含む実質利回りは3%前後という状況です。
この失敗例には、主に以下の原因があります。
- 物件の表面利回りばかりに気を取られ立地条件や空室率、家賃相場を無視していた
- 不動産投資が副業にもかかわらず、手のかかる物件を選んでしまった
- ネット広告に出ているような物件は売りにくい物件であることを知らなかった
- 不動産投資のセカンドオピニオンに相談しなかった
こうなると、数千万円の売却損を自己資金で埋めながら売却するしかなくなる可能性が高いのです。
不動産投資のセカンドオピニオンを活用した成功例

ここでは、不動産投資のセカンドオピニオンを活用し、成功した事例をご紹介します。
成功例1:サブリース物件のリスクを理解し、避けることができた
Aさんは、東京圏で新築のワンルームマンションを投資用に購入、サラリーマン投資家としてスタートを切ろうとしていました。
その物件のデベロッパーと売買契約を締結した際、デベロッパーの子会社で賃貸管理会社を紹介され、次の2つの提案を受けました。
- 賃貸管理代行契約
- サブリース契約(家賃保証契約)
Aさんは東京ではなく他府県に在住しており、勤め先では中間管理職で何かと忙しい日常を送っていたため、サブリース契約を強く勧められました。
Aさんは、ワンルームマンション投資の最大のリスクは空室で家賃収入が入らないことと理解していたためサブリース契約に傾いたところ、念のためセカンドオピニオンに相談。
セカンドオピニオンから次の理由でサブリース契約はおすすめしないとアドバイスを受けました。
- サブリース契約は借主が賃貸管理会社になるため、借地借家法上オーナーが不利になる
- 賃借人が誰で、いくらの家賃で貸しているのかさえ、開示されないケースが頻発している
- サブリースは、国土交通省、金融庁、消費者庁から注意喚起されている
- サブリースに関するトラブルで、国民生活センターに保証家賃を勝手に下げられた、契約解除に応じてもらえない、売却できないなどの苦情が多数寄せられている
- そもそも、東京都内の新築ワンルームマンションの空室率は平均5%未満であり、家賃相場から15%も引かれるのはもったいない。
Aさんは、このアドバイスにより、サブリースに関するトラブルの実態を知り、賃貸管理代行契約を選択し、手間をかけることなく順調にマンション経営に取り組んでいます。
成功例1:築15年のワンルームマンション投資を勧められ価格交渉
Aさんは、築15年のワンルームマンション投資を不動産会社から勧められました。2,000万円で家賃が8.8万円/月、表面利回りが5.28%で殆ど手出しがなく、ローンの返済ができます。
しかし、Aさんは不動産投資のセカンドオピニオンに相談し、以下のアドバイスを受けました。
- 築15年は、水回りや電気設備の耐用年数を超えるのでリフォームが必要になる
- その割に周辺事例に比べて販売価格が高いので、価格交渉した方がよい
- もし、価格交渉に応じられない場合は、リフォームコストを上乗せして利回り計算しないとならない
Aさんは、リフォームコスト250万円を上乗せして計算したところ、利回りは4.7%を割り込むことに気づき、リフォームコスト分の値引き交渉を行いました。
その結果、リフォームは売主が行うことになり2,000万円で購入することに成功。当初の表面利回りを確保できた上に、リフォーム費用は15年償却できるため、年間167,000円の節税ができるようになりました。
成功例 2.表面利回りが高い不動産についてセカンドオピニオンに相談
サラリーマン投資家Bさんは、RC造のワンルームマンションを2戸所有。ある日、不動産業者から電話営業で表面利回りの高い有利な都内の木造アパートの一棟売りがあると紹介されました。
Bさんは、物件資料を入手し魅力的に感じたものの、セカンドオピニオンに相談。
次のアドバイスを受けました。
- このエリアは人気がなく、隣町に人気が集中している
- しかも、最寄駅から徒歩20分は遠すぎる
- 木造アパートは修繕費が高く維持費がかかる
- 入居者のなかには、家賃の滞納者や設備を壊す人が多い
- 木造アパートは手間がかかるため、専業で対応できる立場で検討するべき
- RC造のワンルームを複数所有し、売却益が出るか節税効果が薄れ家賃収入により利益が出始めた際に、節税対策として木造アパートを検討した方が資産形成上効果的
投資家Bさんは、これらのアドバイスを理解し、不動産業者から紹介された木造アパートを断りました。
その後、Bさんは次の売買を行いました。
- 都内にあるRC造のワンルームマンションを3戸追加で購入
- 2年後に、当初購入したワンルームマンションが購入価格よりも500万円高く売却できる事を知り売却
- 売却益と貯金で新規購入したワンルームマンションの繰上げ返済を行い1室をローンフリーに。
リスクの高いアパートには手を出さず、堅実にワンルームマンションのみで月々のキャッシュフローを改善することに成功。
セカンドオピニオンに相談することで、アパート投資のリスクを知り、本業に影響しないワンルームマンションに特化することができた。
成功例 3.所有物件の空室状況が続き返済が滞りそうな事態にセカンドオピニオンに相談
副業投資家Cさんは、都内に4戸、埼玉や千葉の学生街などに6戸のワンルームマンションを所有しています。
ある日、賃貸管理を委託している不動産管理会社の担当者から埼玉・千葉の4戸について、以下の連絡がありました。
- 入居者が4戸とも退去する
- 最近、家賃相場が下落しているから次の募集では家賃を下げてもよいか
Cさんは「検討する」と答えたものの、本業が忙しく返事するのを失念してしまいました。また、管理会社から催促のメールにも気づかず、返事できなかったのです。管理会社は前回と同じ家賃で募集を出しましたが、結局入居の申込はありませんでした。
その結果、毎月約45万円の家賃が入らなくなり3ヶ月が経過、物件の購入時に払った経費やローンの頭金で、手元資金も底をついてしまいました。
そこで、Cさんはセカンドオピニオンに相談し次のアドバイスを受けます。
- 学生街の場合は、次の入学時期まで入居者がつきにくい
- 売却するか維持するかを判断する
- その判断に従って、必要資金を計算する
- 〇〇銀行のドクターローンと医師信用組合で必要額について融資申込する
- 損失分は確定申告で損益通算して申告する
Cさんは維持することを選択し、セカンドオピニオンに融資申し込み業務までを依頼、繋ぎ資金として500万円の融資を申し込みました。
3週間後に無事調達でき、その後、家賃を10%下げて入居者を募集し7ヶ月後に6戸すべて入居の申し込みを得て、現在満室で運営しています。
管理人の一言:「このケースでは、連絡ミスによる失敗がもたらしたものであるため、繋ぎ資金は損失になります。しかし、確定申告することで損益通算できるため、従来の収入を節税することで損失を最小限に抑えることが可能です。
不動産投資のセカンドオピニオンへの相談はメリットが多い
これまで解説したとおり、不動産投資のセカンドオピニオンに相談することはメリットこそあれ、デメリットはありません。
問題の内容によっては税理士、弁護士などの専門家に相談することは重要です。しかし、物件の有利な売買方法など、不動産投資のセカンドオピニオンにしか解決できない領域があります。
その他、不動産投資のセカンドオピニオンには、次のケースでも相談できます。
- 離婚などの法的対応を伴う不動産売買
- 資金難を解決するための不動産の活用術
- 共有持分トラブルの解決策
これらの問題には、利害関係がある不動産業者ではなく、利害関係がない不動産投資のセカンドオピニオンに相談することを、強くおすすめします。

まとめ
不動産投資のセカンドオピニオンとは?というテーマで、セカンドオピニオンに相談せず失敗した例や相談して成功した例などについて解説しました。
不動産投資は、物件選びと資金調達条件、運営方法さえ間違えなければ、手堅い投資と言えます。しかし、失敗例や成功例のなかでも一度歯車が狂いだすと、大きなリスクへと発展してしまうのも事実です。
不動産投資のセカンドオピニオンをうまく活用して、さまざまなリスクを軽減することをおすすめします。
