ワンルームマンション購入後にかかる経費の種類と費用を解説

ワンルームマンション投資は、数ある投資商品の中でも非常に安定した収入が見込めます。

ただし、収入面だけではなく、必ず気にしておかなければならないのが「経費」です。収入ばかりに気を取られるのではなく、経費についても正しく理解しておくことが、より安定した収入を得るためには必要です。

とはいえ、特にこれから不動産投資を始めようという方にとっては、「どんな経費があるのか?」「いくらくらいかかるのか?」というのは、全くわからないでしょう。それでは準備のしようもありませんよね。

なので今回は、ワンルームマンション購入後にかかる経費についてお伝えします。

 

ワンルームマンション投資の利益を増やすには、経費を抑える

今回「経費」についてお伝えしたいのは、もちろん「どんな経費がかかるのか」を知ってもらうためですが、もう1つ知っておいてほしいことがあります。

それは、経費を抑えることができれば、利益を増やすことができるということです。

ワンルームマンション投資の利益は、「家賃収入」ー「経費」で決まります。

多くの方は、利益を増やすために家賃収入を増やそうとします。ですが、家賃収入を増やすのは簡単ではありません。規模が増えない限りは、大きく金額を上げることはできないからです。

一方で、経費は抑えられる可能性があります。

そのためにも、経費についてしっかりと理解しておきましょう。経費について知ることが、収入に直結します。

 

ワンルームマンション購入後にかかる経費は4つ!いくらかかるの?

ワンルームマンションの購入後にかかる経費は以下の4つです。

  1. 管理費
  2. 修繕積立金
  3. 修繕積立基金
  4. 部屋の設備の交換、メンテナンス費用

この4つは、マンション自体にかかる経費です。大きく経費としてくくってしまえば、ローン返済費や税金などもふくまれます。ですが、それらは大きな変動がなく、固定費となります。また、ローンの返済費や税金については、当然かかるものとして理解している方がほとんどなので、今回はマンション自体にかかる経費に限定します。

では、それぞれ見ていきましょう。

 

管理費

管理費とは、マンションを維持するための費用です。具体的には、以下にあげるような事柄が管理費には含まれています。(標準管理規約第27条に、管理費は以下の支出に充てることができる旨が定められています)

  • 人件費(管理人)
  • 公租公課
  • 共用設備の保守維持費及び運転費
  • 備品費、通信費その他の事務費
  • 共用部分等に係る火災保険料その他の損害保険料
  • 経常的な補修費
  • 清掃費、消毒費及びごみ処理費
  • 委託業務費
  • 専門的知識を有する者の活用に要する費用
  • 地域コミュニティにも配慮した居住者間のコミュニティ形成に要する費用
  • 管理組合の運営に要する費用
  • その他敷地及び共用部分等の通常の管理に要する費用

管理費の相場は家賃の3~5%程度です。家賃から毎月引かれます。

管理費の使い道ですが、ほとんどが賃貸管理会社との委託管理費です。マンションを分譲する会社が、系列の管理会社を持っていることが多いので、そこへ委託することが一般的です。

管理費の金額は物件によります。例えば

  • 共用設備の充実さ
  • 敷地の広さ
  • エレベーターの数

などによって変わります。

当然ですが、設備が充実していて敷地が広く、エレベーターの数も多ければ、管理費は相対的に高くなります。これらは物件の購入時、あるいは入居する方にとっては一見魅力的に感じますが、実際には経済的な負担につながることがあるものなのです。

 

修繕積立金

修繕積立金とは、購入したマンションの共有部分の修繕に充てられる費用です。マンションの長期的資産価値を保つため、10年先、20年先といった将来の大規模修繕に備えて積み立てておくために徴収されます。

具体的には屋上防水、外壁塗装、給排水管の取り替え、あるいは台風などの天災による被害の修繕などにも使われます。

金額は長期修繕計画と、そのマンションに住んでいる戸数によっても変動します。

管理費との大きな違いは、管理費は「日常」のため、修繕積立金は「将来」のためと考えるとわかりやすいでしょう。

共有部の修繕業務はすべて建物管理会社主導で実施されます。オーナーであるあなたがやることは特にありません。

建物管理会社とは、

  • 修繕積立金の集金
  • 定期総会の開催・運営
  • 定期巡回や清掃
  • 共用部の設備点検
  • 大規模修繕の実施

などを行う会社です。

管理といっても、入居者の選定や家賃の改修、苦情処理などの対応をしてくれる「賃貸管理をする会社」と、先に挙げた「建物管理をする会社」は違います。

特に重要なのは、建物管理会社です。なので、建物管理会社の修繕計画や評判は、内情に詳しい人に聞くことをお勧めします。なぜなら、建物管理会社の計画がずさんだと、追加で修繕積立金が必要になってしまうケースがあるからです。

 

修繕積立基金

修繕積立基金とは、新築購入時に修繕積立金の一部を支払うものです。あまり認知がされていないのは、購入する際に「諸費用」の項目の中に含まれてしまっていることが多いからです。

ではなぜわざわざ「修繕積立金」と分けているのかというと、先に「修繕積立基金」として一部を支払うことで、毎月の積立金額を抑えることができるからです。

支払いは購入時の1回で、一般的な金額は修繕積立金の50ヶ月分程度です。もちろん、物件の規模や構造などによって異なります。

主な使い道としては、いざという時のためです。

先ほど修繕積立金の使い道として、台風等の天災による被害が出た際にも使われるとお話ししました。天災ですので、どのくらいの被害が出てしまうかわかりません。また、購入してからの期間によっては積立金が少ない可能性もあります。そのような時に、修繕積立基金があれば、別途修繕積立金を徴収しなくてもすむのです。

ですので、新築ではなく中古でワンルームマンションを購入する際は、必ず「修繕積立金がいくら貯まっているのか」を確認するようにしましょう。もし少ないのであれば、もしかしたら建物管理がうまく機能していない可能性があるので注意が必要です。

 

部屋の設備の交換、メンテナンス費用

これまで紹介してきた3つの経費以上に気にかける必要があるのが、部屋の設備交換やメンテナンス費用です。ワンルームマンション投資で利益を大きくすることができるかどうかは、この「部屋の設備交換やメンテナンス費用」という経費をどう抑えることができるかが大きく影響します。

実際にどのようなものがあるか、「交換期間の目安」「費用の目安」と合わせてご紹介します。

設備名交換期間の目安費用の目安
電気コンロ8~10年4.5万円
ガスコンロ10~12年5万円
照明器具10~12年0.5~2万円
エアコン10~15年5~6万円
給湯器15~20年10~15万円
フローリング20~25年10~30万円
配管(専有部分)20~25年15~30万円
キッチン25~30年10~30万円
トイレ35~40年10~30万円
ユニットバス35~50年50~60万円
水回り全般
(パッキン交換、水漏れなど)
退去時、または都度1ヶ所交換、修理につき1万円
退去時のリフォーム費用
(壁紙の張り替え等)
退去時都度2~10万円
※敷金で相殺

見ておわかりいただけるように、部屋の中のものとなります。交換時期は様々ですが、1つ1つの金額は、決して安い費用ではありません。もちろん、全てがオーナー負担になるわけではありません。

例えば、退去時のクリーニングについては、通常は敷金でまかなうことができます。入居者の過失によって交換が必要になったものは、当然ですが入居者に請求することが可能です。

また、契約している賃貸管理会社によっては、家賃の数パーセントを手数料で支払うことで、リフォーム費用も無償ということもあります。もちろん設備に関するもの、例えばトイレやコンロなどは含まれませんが。

他にも保険が適用されることもあります。

例えば電気系統や配管などです。保険が適用されるかどうかは原因次第になりますので、必ず何が原因で壊れてしまったのかは確認するようにしましょう。

また、加入している保険がどのようなことに適用されるのかも、知っておくようにしてください。

 

経費はかけるベき場所にかける

今回は、ワンルームマンション購入後にかかる経費につていお話ししてきました。基本的には、経費を減らすことで利益を増やすことができます。

ただし、経費をかけなければいけない場所もあります。それは「キッチンなどの水回り」です。

キッチンなどの水回りは、入居者が賃貸物件を選ぶ際にとても重要な要素です。選ぶ際の優先順位が高い人も多くいます。

なので、経費を減らそうと古いものを交換をしなかったり、誰がみても安そうに見えている物だと、入居者が決まりづらい状況を作ってしまいます。

経費を節約したはいいけど、肝心の収入(入居者)がなくなってしまっては、本末転倒です。

経費はかけるべき場所にかける。節約する場所は節約する。そのメリハリを持つようにしましょう。