不動産投資において、高利回り物件は魅力的に映る方も多いことでしょう。
特に地方の一棟アパートやマンションは、購入価格が安いため表面利回りが高くなりやすい特徴があります。しかし、その裏にはさまざまなリスクが潜んでおり、時には詐欺的な手法によって不当に高利回りに見せかけられることもあります。本記事では、地方の高利回り物件に関する主要なリスクと、悪質な販売手法について詳しく解説します。
1. 地方一棟高利回り物件の主なリスク
1.1 空室リスク
地方の高利回り物件は、都心と比べて人口減少が進んでいるエリアにあることが多く、入居者が確保しにくいという課題があります。一時的に満室になっていても、転居率が高ければすぐに空室が増えてしまいます。たとえ購入時に満室でもその満室がいつまで続くのかは未知数です。
また、高利回り物件となると中古や極端な築古であることがほとんど。近隣の物件よりも競争力が低く、入居付には広告費が嵩むことも容易に想像がつきます。
こうしたことから表面利回りと実質利回りの差が大きく、投資判断をされる際は表面利回りの40~50%程度で見積もっておくと安全ではないでしょうか。決して極端な数値ではないでしょう。
1.2 家賃下落リスク
地方では賃貸需要が限定的であり、築年数が経過すると家賃が下がりやすい傾向にあります。特に、新築物件やリノベーション物件が増えると、築古物件の家賃は一層厳しくなります。
現在日本の不動産価格が高騰していると言われていますが、そのほとんどは都市部の話。地方一棟は人口流出による賃貸需要減により、物件価格も家賃も下がっていく方向です。
また、賃貸需要の他に家賃下落リスクの大きな要因が、不動産会社によるダミー入居です。
不動産会社がダミー入居者を本来の家賃よりも高い家賃で契約して入居させ、投資家に対して優良物件のように紹介します。その後、投資家との売買契約後まもなくして、入居者が順番に退去していきます。
ダミー入居者は高めの家賃で契約していても、次の入居者募集では相場家賃でないと客付けできません。それにより表面利回りが一気に下がってしまうリスクがあります。
ちなみにダミー入居者を見極めることは非常に難しいです。入居時期や退去時期がバラバラだったりすると、その疑いを持つことすらできませんからね。。
1.3 修繕・維持コストの増加
築年数の古い物件ほど修繕や維持管理のコストがかさみます。特に、給排水設備や屋根・外壁などの大規模修繕が必要になると、一度に大きな出費が発生します。
そもそも、大きなキャッシュフローがでることが魅力の高利回り地方一棟ですが、そこから大規模修繕の費用や日々の修繕費用の捻出をしなければならず、実は手残りがあまり・・・ということも。
1.4 資産価値の低下
地方の築古物件は、資産価値が下がりやすく、売却時に想定より安値でしか手放せないリスクがあります。買い手が少ないため、売却に時間がかかることも珍しくありません。
居住用物件の価値は、入居したい人の数で決まります。地方一棟物件はそういう意味でかなり不利ですね。
そもそも地方一棟物件が高利回りなのは、人気がないからですしね。
人気がないから物件価格が安くなり、相対的に高利回りになっていくという話ですから、高利回り物件が高値で売れることはありません。加えて保有して年数も経てば、物件価格はさらに下がっていきます。
地方一棟物件は、地方の人口減少が始まった今、すでにババ抜き状態です。あなたに地方一棟物件を提案している業者はまさにババをあなたに押し付けようとしているのかもしれませんよ。
1.5 融資の難易度
地方の高利回り物件は、銀行の評価が低く、融資を受けるのが難しい場合があります。また、融資を受けられても金利が高くなることが多いため、収支計算が厳しくなります。
1.6 管理会社・運営リスク
物件管理を外部に委託する場合、管理会社の選定が重要です。管理がずさんな場合、入居者トラブルや家賃未回収の問題が発生しやすくなります。
また、悪質な管理会社の場合、逆サブリース契約で入居者の支払う家賃よりも高い家賃でオーナーと契約し、物件価格を釣り上げるという方法を取る会社もあります。先ほどのダミー入居の話と同様、これをオーナー側から見破るのは非常に困難です。
地方一棟x サブリース契約は非常に危険ですから、この組み合わせで提案されたら、警戒してください。
2. 詐欺的な販売手法:ダミー入居者による高稼働演出
先ほどのダミー入居者による手口について、より詳しく解説していきます。
一部の悪質な不動産業者は、物件の利回りを高く見せるために「ダミー入居者」を仕込む手口を使います。これは、実際の賃貸需要がないにもかかわらず、満室を装って物件を販売する詐欺的な手法です。
手口の概要
- 売却前に架空または短期間の入居者を用意し、一時的に満室状態を作る。
- 高い家賃収入があるように見せかけ、利回りを水増しする。
- 物件の引き渡し後、ダミー入居者が一斉退去し、突然空室だらけになる。
- 新オーナーが予定していた家賃収入を得られず、大きな損失を被る。
- さらにダミー入居者の家賃は相場より高めに設定されているため、満室にしても本来の利回りが出ない
結論、この手法は違法であるため、証明ができれば損害賠償請求ができます。
ただ裁判には数年の時間が必要であり、証拠資料を揃えられない場合もあります。とくにダミー入居者との賃貸借契約書等は不動産会社側が保有しているため、不動産会社が拒否すればその資料を手にすることすらできません。
また、空室の間も銀行ローンの返済がありますから、現実問題、何年もかけて裁判をするのは現実的ではありません。
そのため、こういった詐欺的手法が横行している地方一棟物件は手を出すべきではないのです。
3. まとめ
本記事では、地方一棟物件のリスクについて説明してきました。
地方一棟物件は多くのリスクを内包していますが、その一番の原因は人口流出です。
地方では人口流出が激しいため、賃貸需要が下がり、空室リスク、家賃下落、物件価値の低下などさまざまなリスクを生み出しています。
世の中には〇〇大家と名乗り、地方一棟物件至上主義の方の大家塾なども存在します。しかし、そうした方々の投資手法は一世代前には成功できたかもしれませんが、今からその手法を真似するのは非常にハイリスクです。
時代にあった不動産投資で資産を最大化しましょう。
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→サブリース契約は不動産会社側から一方的に解除できます。購入後1年で一方的解除されたケースもあります。
一棟不動産は今の時代、ハイリスク案件です。再現性高く不動産投資で資産を構築したい方はLINEくださいね。