不動産投資の費用対効果に大きな影響を与える金利。
金利が1%違うだけで、返済総額は数百万円単位で変動してくる、とても大きな変数です。
立地や築年数ももちろん重要ですが、不動産を購入する際の金利もとても重要です。しかし、立地や築年数と違って、不動産を購入後でもローンの借り換えによって金利を下げることが可能です。
本記事ではローンの借り換えについてお伝えしていきます。
そもそも不動産投資の金利はどうやって決まっている?
不動産投資の金利は、物件、借主、提携金融機関で決まっています。
その要因は主に物件、属性、提携金融機関です。
物件
金融機関は不動産投資の融資の際、抵当権を設定します。抵当権とは、借主が債務不履行(ローン返済ができな状態)になった際、物件を担保にできる権利です。債務不履行になると、銀行は物件が手に入るのですね。
銀行はその物件を売却し、残りのローン返済分の回収に動きます。その際、物件が市場でどの程度評価されるかによって金利は変動します。
流動性が高く、売却価格も見込める場合は金利が低くなり、流動性が低く、売却価格が見込み辛い場合は金利が高くなります。
一般的に都心マンションであれば駅近で買い手もつきやすいことから金利は低く、地方一棟やアパートのような投資物件は売り手がつきにくいため金利は高くなります。
属性
属性とは、借主の社会的信用によるものになります。
年収、所属企業規模、勤続年数、職種、借金の有無、過去にクレジットカードや携帯電話での支払い漏れの有無などがあります。
金融機関もクレジットカードの支払いが滞っていたり、無計画にリボ払いを乱用している人にはお金を貸したくないですよね。逆に借金は一度もなく、大手企業に10年努めていて年収1,000万円なんかだと、金融機関としては返済をしっかりしてくれそうだ、となります。
こういった面が金利に影響します。
提携金融機関
最後に提携金融機関です。これは借りる銀行によって金利が違う、ということですね。金利の算出方法は金融機関によってことなりますので、お金を借りる銀行によって金利はことなります。
また融資が出る/出ないという面でも金融機関によって変わってくるので、必ずしも希望の金融機関から借りれるとは限りません。
また、不動産投資の場合は、その不動産会社と金融機関の関係性によっても金利は影響されます。できたてほやほやの不動産投資会社より、しっかりと金融機関と提携実績のある不動産投資会社の方が金利は有利に働きます。
不動産投資のローンの借り換えとは
不動産投資のローン借り換えとは、現在借入れを行っている金融機関から別の金融機関にローンを移行することをいいます。具体的には借り換え先の金融機関から融資を受け、借り換え元の金融機関に全額返済します。そして借り換え先の金融機関に対して返済を開始すると言うものです。
実は、ローンの返済を実行していくうち、返済の実績がたまります。返済の実績は金融機関からすれば、「この人はしっかりお金を返してくれる人だ」という認識になり、プラスの要素に働きます。
また、会社員であれば勤続年数が長くなり年収も上がっているかもしれません。そうなると金利の決定要素である「属性」が高まり、再審査することで金利を下げることが可能になります。
ローン借り換えの基準とは
不動産投資でローンの借り換えをする目的は、ずばり金利を下げることになります。
金利を下げることで数百万円単位で総返済額が減額できるケースもあるので、ぜひ検討してみください。
具体的には、
- 金利が1%以上下がる場合
- 残高1,000万円以上
- 返済期間10年以上
というのがローン借り換えの基準になります。
というのも、不動産投資のローン借り換えは、借り換え先の金融機関で諸費用という手数料を支払わなければならないため、上記条件を満たさない場合、諸費用分ローン返済が増額する可能性があるからです。
ローン借り換えの諸費用とは
融資手数料
融資手数料とはその名のとおり、借り換え先の金融機関の手数料になります。定額型と定率型がありますが、定額型だと2~3万円、定率型だと1%から2%と言われています。
不動産投資のローン借り換えの場合は残債1,000万円以上のケースが多いため、定額型の金融機関の方が圧倒的に安く済みます。
保証料
こちらは賃貸などでもお馴染みの保証会社への手数料になります。ローン返済が滞った場合に代わりに保証会社が支払ってくれます。もちろんその後保証会社に返済義務が生じます。
金融機関によっては保証会社を利用しなくてもよい場合があります。
印紙税
ローン契約を買わす場合に必要な税金です。印紙を購入して契約書に添付します。
1千万〜5千万円だと印紙税は2万円です。多くがこの範囲に収まるでしょう。
期限前完済手数料
最初の借入れ先のローンを完済する際に発生する手数料です。借り換え元の金融機関は本来得られる金利分の利益がなくなるわけですから、早期完済の場合は別途手数料が発生します。
抵当権抹消・設定登記費用
こちらは借り換え元から借り換え先に抵当権を移す際の税金になります。2,000円~6,000円と言われていす。
司法書士報酬
抵当権設定の代行を行う司法書士の手数料です。司法書士によって金額はことなりますが、数万円程度と認識しましょう。
こういった諸費用すべて合わせると約100万円ほどになるケースが多いです。
金利が下がっても損をする可能性がある
ローンの借り換えには金利1%以上下がるかどうか、という基準があります。
しかし、1%以上下がったとしても残りの返済期間が短かったり、残債が少ないと、金利を下げることによるメリットを諸費用が上回ってしまいます。
そのため、金利が分かったら、しっかりとシミュレーションをして本当に総返済額が下がるかどうかチェックすべきでしょう。
ローン借り換えの手順
ローン借り換えの手順は下記の通りになります。
具体的には借り換え先と借り換え元の金融機関に問い合わせをして手順をしっかり確認しましょう。
- 借り換え金融機関の検討
- 検討している金融機関に相談
- 事前審査
- 本審査
- 借り換え元に一括返済を通知
- 融資実行
- 借り換え元に一括返済
- 抵当権移行
- 借り換え先に返済開始
ただ、とくに借り換え金融機関の検討に関しては知識がない中、大変苦労される人が多いです。
そういった場合、実は不動産投資会社でも金融機関の選定から相談にのってくれるケースがあるので、不動産投資会社に相談するのもよいでしょう。
ちなみによくしてくださる不動産会社さんの紹介もできますので、もし気になる方はLINEでご連絡くださいね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
不動産投資において金利は非常に重要なファクターです。
立地や築年数は購入後はどうしようもありませんが、金利は不動産投資開始後でも交渉や借り換えが可能です。
もし今不動産投資を初めてしばらく経っているなら、一度、金融機関に相談してみてはいかがでしょうか。
それでは!!