こんにちは、田中です。
今回は最近問題が急増している、高額査定による違約金詐欺について取り上げていきます。
不動産ではかぼちゃの馬車問題や、2022年年末から2023年前半にかけて炎上した渋谷の不動産会社によるサブリース問題などで、これから不動産投資を始めようとする人がさまざまな甘い言葉でからめ取られてきました。
そして次に問題になっている高額買取による違約金詐欺では、不動産物件をすでに所有している人を絡め取る手法となっています。本記事ではその巧妙な手口について解説していきます。
不動産売買契約における違約金とは
今回ご紹介する詐欺的手法で狙われている違約金とは、売買契約を破棄する際の違約金となります。
不動産の売買契約の場合、まず不動産を購入する人(買主)が物件価格の1割ほどを手付金として不動産会社に支払います。
その後、買主都合で契約を破棄する場合、手付放棄することで契約を解除できます。一方、売主都合で契約を破棄する場合は、手付金を返還し、さらに違約金として手付金相当もしくは物件価格の20%を支払うことで契約を解除できます。
今回の詐欺では、売主都合での契約解除に追い込むことで、物件価格の20%を巻き上げる手法となっています。
売買契約違約金詐欺の流れ
では、違約金詐欺の流れを見ていきましょう。
1.相場価格よりも高い金額の査定額
ファーストステップは物上げ業者から不動産オーナーに対して、高額査定のオファーがきます。
相場1,500万円の物件を購入時の2,000万円で売れますよ!といったように明らかに高額でのオファーをされます。
不動産は出口戦略が非常に重要な投資ですから、高額で売れるとなれば反応してしまうのが投資家の性ですよね。
しかし、いくらなんでも相場金額よりも高すぎることを不審に思う投資家も存在ます。ところが昨今の不動産市場はここ10年で相当値上がっているため、正直相場より高くオファーを受けてもなかなか疑いきれないものです。
2.引き渡し日空欄で売買契約に署名捺印を求められる
次に、売買契約書への署名・捺印を求められます。
2,000万円での売却するという旨は記載しつつ、買主はまだ決まっていないので引渡し日は空欄となっています。
普通、売買契約は買主が決まってから書くものです。どんな契約でもそうですが、契約当事者双方の同意を得てから契約書を作るという流れは不動産でもかわりません。
しかし、不動産売買は不動産業界以外の人にとっては未知のセカイ。これが不動産業界の商習慣ですと言われたら反論できる人がどれだけいるのでしょうか。
3.物件が売れない時期が続く
上記の契約書締結後、物上げ業者は買主を探す努力をしません。
そもそも相場を逸脱した価格なので売れるわけもなく、半年、1年と時間が過ぎていきます。
一方、売主である不動産オーナーは2,000万円で売れないなら価格を下げたり、別の不動産業者に売買仲介を依頼したいと考えます。
しかし、その旨を物上げ業者に伝えると、契約の違反となり、違約金を請求されてしまいます。
これが違約金詐欺の一連の流れです。
ちなみにこのケースですと、2,000万円の20%で最大400万円の違約金を請求されることになります。
相場よりも500万円高く売れると思っていた売主は、400万円の赤字に陥るので、まさに天国から地獄ですね。
高額査定詐欺に引っ掛からないためには
不動産会社との契約は『媒介契約』
まず第一に、買主がいない中で売買契約を結ばないことです。
不動産会社に売買を依頼する場合は、媒介契約という契約が一般的です。
媒介契約を結ぶことで不動産会社は買主を募集できるようになります。そして買主が決まったら売買契約を結ぶことになります。
相場を逸脱した金額は信じない
次に、相場を逸脱した金額は信じないことです。
確かに昨今の不動産市場は東京を中心にかなりの値上がり傾向ですが、それは相場も一緒に上がっているということ。例えば同じマンションの違う部屋や同じ最寄駅のグレードの近いマンションの売買実績を見たり、それらの物件が売りに出されている場合は、その金額設定を確認するなど、相場を調べる方法はあります。
そこから数百万円ずれているような査定金額は基本的に信用しないことです。
逆に安い金額での売買を進めてくる業者も・・・
今回の詐欺手法とは違いますが、ワンルームマンション投資をしているサラリーマンは騙されてますよ!と言い切り、少しでも早く損切りしましょうという営業スタイルのYoutubeをやっている某不動産会社もあります。
これは相場よりも安くだすことでサクッと売ってしまって仲介手数料を稼ごうとしている会社の手法です。こちらは詐欺ではないですが、損してしまうので、やはり相場を知ることは重要ですね。
まとめ
不動産オーナーを狙った新たな詐欺的手法。
不動産投資は出口を間違えれば、どんなに良い物件に投資しても最終的に失敗に終わってしまいます。
そうならないためにも美味しい話というのは世の中にはない、ということ肝に銘じておいてください。
もし高額オファーが来ていて興味はあるが、ちょっと不安、、という方は、LINEいただければ相談に乗れますよ。私だったらすぐ見抜けます。