金融・不動産資格保有者を信用するな!大切なのは顧客利益を考える姿勢!

不動産業界では、顧客の信頼を得るために様々な資格制度が設けられています。その代表格が「宅地建物取引士(宅建士)」であり、重要事項説明を行うなど、不動産取引において欠かせない役割を担います。さらに2023年には、「投資不動産販売員」という新たな資格が設立され、投資用不動産の提案や販売に関わる知識を持った専門家の育成が進められています。

これらの資格は、販売員が法令を順守し、正確な情報を提供するための最低限の基準を示すものです。しかし、不動産投資におけるトラブルが絶えない現状を見ると、資格の有無だけで顧客に満足のいく提案が行われているとは言い切れません。

本記事では資格を保有している不動産業界がなぜトラブルが絶えないのかについて解説していきます。

元不動産屋・現役サラリーマン投資家 田中

サラリーマン大家。新卒で中堅不動産投資会社に就職。 お客様第一ではない不動産会社のあり方に疑問を感じ、メーカーの営業職に転職。現在はコンサル会社に転職し不動産会社勤務の経験を生かして不動産会社の経営コンサルを行う。 地道に買い増しや売却益を活用し、現在17戸年間家賃収入820万円(ほぼ不労所得)。820万円を元手に投資信託や株を購入し、さらなる資産拡大に挑戦中。

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資格があってもトラブルが絶えない理由

不動産業界で資格を持つことは、一定の知識と能力を保証するものですが、”資格を持つ=良い提案ができる”わけではありません。不動産投資におけるトラブルの背景には、販売員や企業が顧客目線ではなく、自社の利益を優先している構造的な問題があります。

1. 利益優先の提案

自社利益を優先する販売会社や担当者は、売上を上げるために、自社の利益を多く乗せた物件を販売します。

こういった不動産会社はある程度販売したあと、業界内での評判が悪くなると社名を変更する、もしくは不動産会社を新たに設立することで評判をリセットし、再出発します。

そのため、頻繁に社名が変わっている会社は、その社名変更の経緯について調べることをお勧めします。

2. リスク説明の不足

購入後に生じるリスクやコストについて十分な説明がないケースも多くあります。

よくある例としては、購入時に示されたシミュレーションに家賃の変動リスクや空室が加味されていないケース。あとは、サブリース契約の解除不可問題なんかも最近はよく聞きます。

サブリース契約は一度契約すると永遠に不動産会社の養分になるので、絶対に避けたい契約形態ですが、不動産会社はそういった事実を自ら伝えることはありません。

3. 長期的な視点の欠如

本来であれば、顧客を勝たせて長期的にウィンウィンの関係性を築いていく方が不動産会社にとっても利益は大きくなりますが、目先の利益ばかりを追い求める不動産会社は、こうした長期的目線を持ち合わせていません。

こうした特徴を持つ不動産会社は顧客に損失をもたらしますが、一方で法律違反をしたり、不動産知識が中途半端ということではありません。むしろ資格保有による知識の優位性を悪用しているとすら言えますね

まーくん
まーくん
私の知る優良な不動産会社では、顧客が物件を購入した5~10年後に物件の売却の提案を行い、顧客に利確させます。その後、また物件を購入してもらうという循環に入っています。

そのため、長期的な視点を持つ不動産会社は新規顧客は探しておらず、クローズドでWin-Winな関係を築いています。

銀行の投資商品販売に見る共通点

資格を持ちながらも顧客利益が守られない事例として、銀行による投資商品の販売も似た現象が起きています。銀行員は「ファイナンシャルプランナー(FP)」や「証券外務員」などの資格を保有し、金融商品の提案を行います。しかし金融庁が発表したデータによれば、銀行を通じて投資信託を購入した46%の個人が損失を出しているという問題が浮き彫りになっています。

銀行販売の問題点:

  1. 高コスト商品を販売
    銀行は販売手数料の高い商品を優先的に販売します。これにより、顧客は不要なコストを負担させられることが多いです。
  2. 短期での売買を促進
    顧客に頻繁な売買を提案することで、銀行は手数料収入を増やす一方、顧客が損失を被る可能性を高めています。
  3. 顧客目線の欠如
    規則に従った営業活動が行われている一方で、顧客の長期的な利益を考慮した提案が不足しているのが現状です。

教訓:資格があっても顧客満足は保証されない

銀行が法律や資格を盾にした営業を行いながらも、多くの顧客が損失を出している事実は、不動産業界にも当てはまります。ルールや資格だけでは、顧客に真の価値を提供できないのです。

ファイナンシャルプランナーの不動産紹介に見る共通点

最近は、ファイナンシャルプランナーによる不動産会社の紹介も目立ってきています。

しかし、ファイナンシャルプランナーは保険営業がメインになるため不動産に関する知識が表面的であることが多く、老後の備え、生命保険の代わり、節税対策などといった特徴を挙げて顧客に不動産会社を紹介してきます。

自らの知識が十分でない不動産という分野において、ファイナンシャルプランナーという資格で顧客を信用させて不動産会社を紹介するという行為は、果たして資格の正しい使い方なのでしょうか。

まーくん
まーくん
FPという資格は、相手を信用させて思い通りに操るための道具ではありませんよね。

このように、資格を持った人間から金融商品を購入することが、必ずしも利益に繋がるとは限らない、ということが理解できたかと思います。

不動産投資における真の価値提供とは

不動産投資に成功するためには、販売員や企業が顧客の利益を最大化する視点を持つことが不可欠です。資格は重要ですが、それだけでは不十分です。

不動産投資で重視すべきポイント:

  1. 物件の質
    • 資産価値が下がりにくく、安定的な収益が期待できる物件を選ぶことが、顧客の利益を守る基本です。エリアを選べばむしろ物件価格の値上がりも期待ができるでしょう。
  2. 適切な管理
    • 物件購入後の賃貸管理が適切でなければ、収益性は損なわれます。顧客目線で管理体制を整えることが重要です。サブリース契約を提案する会社や、一般管理なのに解約金を請求する会社は顧客視点を持ち合わせていません。
  3. 顧客に寄り添う提案
    • 資産状況や投資目的を十分に理解し、最適な選択肢を提供することが信頼構築の鍵となります。

銀行の例を教訓に

銀行が手数料収入を優先する営業を行うように、不動産業界でも短期的な利益を追求する提案がなされることがあります。そのような企業や販売員から物件を購入すると、顧客側は確実に損失を被ります。

資格や法令遵守を超えて、顧客利益を第一に考える提案ができるかどうかが、不動産投資における成功を分けるのです。

販売員の資格だけでは不十分な理由

2023年、業界のトラブルを問題視した業界団体が、『投資不動産販売員』という資格が新設しました。

しかし、結局は資格に過ぎません。販売員が基本的な知識を持っていることを証明するものにはなりますが、それ以上の価値を保証するものではありません。上述の銀行員の例のように、その販売員の所属する組織に、顧客利益優先の姿勢があるかどうか、が重要です。大手銀行にはそういった姿勢がないために46%もの顧客が損失を被っているわけです。

これを不動産投資に当てはめるとするならば、不動産会社に求める姿勢は以下の3つです。

  1. 正確な知識を持つ販売員
    • 資格を有し、顧客に誤った情報を伝えない。
  2. 物件の仕入れ能力
    • 質の高い物件を提供し、顧客の投資成功をサポート。
  3. 管理とアフターフォロー
    • 購入後の運用を適切にサポートし、長期的な信頼関係を築く。

これらが揃って初めて、顧客に満足してもらえる提案が実現します。

まーくん
まーくん
販売員の知識も大切ですが、所属する組織の姿勢はもっと大切ということです。

まとめ:資格ではなく信頼が鍵

不動産投資を成功させるためには、資格を持つことだけでは不十分です。資格は最低限の知識や能力を保証するものに過ぎず、顧客の期待を超える提案やサポートを提供することが、企業や販売員に求められます。

資格をアピールする企業や販売員も多いですが、大切なのは「顧客を勝たせる提案」を行っているかどうかです。不動産投資を検討する際は、資格や実績だけでなく、透明性と誠実さを持つパートナーを選びましょう。それが、投資成功への近道となるのです。

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